(映画.com解説から) ロシア人監督ズビャギンツェフの長編第3作。男性優位 |
主義の現代ロシアで必死にもがくひとりの女性の業をサスペンスフルに描き、 |
2011年・第64回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員特別賞を受賞し |
たヒューマンドラマ。初老の資産家男性と再婚した元看護士エレナは、高級 |
マンションで何不自由ない生活を送っているかに見えたが、夫からは家政婦 |
のような扱いを受けていた。その一方で、エレナは前夫との間にもうけた無職 |
の息子家族の生活費を工面し続けていたが、急病に倒れた夫が遺言書を作 |
成すると言い出したことから、エレナの心境に変化が訪れる。妻として、母と |
して苦悩する主人公エレナ・・・
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またまた感想文の書きにくい映画を引き当てちゃった。 |
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賞に絡みそうな映画ではあるけれど、結局これは母親としてのやむにやまれ |
ぬ欲求や欲望であり、そしてそのベースはほとんどごく基本的に刷り込まれた |
ものだと言いたくなるだけ。 |
それじゃ身も蓋もないけれどね。ありふれているものの、映画のネタにも最適 |
で、味付け簡単、こればかりは際限なく使われ作られている。 |
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この資産家の部屋の中が、整理が行き届いているという以上にやたら透き通 |
って冷たい映像。資産家の人となりや性格や成功を表すということなのだろう |
か。生活感がない。 |
いっぽう彼女の息子一家が住んでいる下層階級の安アパートは、いかにも狭 |
く、安っぽいものでぎっしり埋まっている。 |
この対比はとても分かりやすく、今皆が言いたがる格差を象徴するかのよう。 |
エレナは後半イコンがたくさん見えるロシア正教会に顔を出すが、特に深い意 |
味は感じられない。 |
その他ロシアの抱える問題もいろいろ見せてくれていたのだろうが、その辺は |
よくわからず。 |
反応してしまったのは、むしろ無職の息子の怠け者さ加減だとか、世界中どこ |
にもあって時に救いがたい親馬鹿チャンリンとか。 |
内容や含蓄があるかのようにしんねりむっつり作っただけのように思える。脚 |
本も撮影も役者もみなよかったですヨ。 |
インパクトは強いが、ワタシ向きではなかった、ということにしておくしかない。 |
サスペンスはあると言えばある。 |
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音楽も避けて通れない。 |
ここでのグラスのミニマルの音楽もどうも・・・ワタシには具合が悪かった。とい |
うか、これぐらいミスマッチで気色悪いと感じる音楽は久々。(ミニマルの意味 |
というか、そぎ落とされて無機質な感覚と言うか・・・) |
キャラクターが外へ出て移動し始めたら、音楽がかかり始める。それが二度ほ |
どと、おしまいのほうは移動と関係なしに流れた。その他途中ではソース音楽。 |
バッハがちらっと鳴った気もする。 |