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名前を聞いたことがあっただけ。聴くのは初めて。 |
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(帯紹介文) 優れたピアニスト&作曲家であったモシュコフスキが、自ら |
の得物を用いた渾身の力作であるピアノ協奏曲は、ひたすら華麗で甘 |
美にして、文字どおりソロが縦横無尽に駆け巡る、超ポジティヴ・ネアカ |
な作品です。深刻で苦闘と憂いに満ちた音楽こそ芸術であるという風潮 |
の中で一部の小品以外は忘れ去られ、せいぜい実用練習曲作家と軽ん |
じられてきた彼ですが、今、再評価の気運は高まっています。爽快なピア |
ノ技巧も魅力の一つですが、翳りの無い喜悦感をもたらす音楽の質の高 |
さもまた(深刻系音楽に負けず劣らず)圧巻です。明日の元気を生み出す |
ような音楽をお楽しみ下さい。 |
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(1)なんとなんと40分に届こうかという大作。 |
感覚的には当然ロマン派なんだろうなあと予測していたら、まったくも何 |
も、ロマンティックそのもので、ポーランドだからね、いわば、ショパンの息 |
子。ショパンのピアノ協奏曲の、まあ言ってみれば宝石のようなキラキラ |
感、とまではいかないものの、一聴、紹介文通り “ひたすら華麗で甘美”、 |
“超ポジティブ・ネアカ”・・・。 |
とはいうものの、①の後半に感じられるロシア風な緩徐な部分の魅力に |
続いて、②の楚々と始まって徐々に濃く甘く暖かくなってゆく、その包容 |
力のあるロマンティシズムなんか驚くほど魅力的。憂いの表情だって十 |
分ある。“超ポジティブ・ネアカ”というのは、ちょっと違うかもねえ。 |
①③④のころころ転がるピアノは、弾く方は相当大変でしょうが、聴く方は |
ショパン繋がりふうで楽しい。 |
何べん聴かされたかわからん、少々飽き飽きしているショパンの代わりに |
聴いてご覧、という感じ。ショパンには失礼な言い方やけどね。 |
そしてなにより、ショパンよりはオーケストラがもっと充実しているところが |
いいじゃないですか。 |
決してピアノ馬鹿じゃない。すごいって感じでもないけれど、ショパンより |
はよほど書き込まれているように思う。これでも、オーケストラにとっては、 |
やっぱり刺激が乏しいようには思うけどね。 |
ショパンと言えば、息子がそのピアノ協奏曲のオケが、弾いていてい |
かに退屈か悲しげに喋っていたのをどうしても思い出す。 |
話を戻して、、、第2楽章から切れ目なく入っていった第3楽章はスピード |
を上げて大盛り上がりで終わる。ところが、あれ―、次の曲もピアノ入り |
かよと、初回は思わずCDのケースをあらためてしまった。第3楽章よりも |
う少しゆったりした第4楽章がなんとなく居心地悪そうに始まる。ははは。 |
4楽章になってしまった分、冗長/散漫のそしりを受けるかもしれないけれ |
ど、この長ったらしさも案外キズでないかもヨ。 |
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ピアニストはドイツ人なんですか。もっと外連味のある華麗な弾き方もあ |
りなんでしょうが、そうではないもののとてもしっかりとして十分美しいタッ |
チ。 |
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(2)については紹介文が全く触れていない。バカにしたもんでもないと思 |
うが、協奏曲の紹介でいっぱいいっぱいになっちゃったらしい。 |
6つの国のお国柄をさらっと管弦楽で表現した明るく軽い感じの組曲。 |
独創的かどうかはともかく、ピアノ協奏曲よりはかなり前の作品なのに、 |
協奏曲よりオーケストレーションは上出来みたい。 |
全体的にバレエや踊りを思わせるような曲調だとか、ドボルザークのス |
ラブ舞曲風なオーケストレーションのコピーないし練習みたいになってい |
るのが特徴かな。と、これだけじゃ淋しいので・・・ |
⑤Allegretto 叙情的。たいそう美しいロシア。 |
⑥Presto メンデルスゾーンやチャイコフスキーも匂う。きらきら軽やか。 |
⑦Andante 曲が最も長い。ゆったりライン川を下るよう。でもちょっとス |
ラブ舞曲風な香りも。 |
⑧Molto vivace シャブリエのの例の曲の感じかなあ。でも往々国籍不 |
詳みたいな。 |
⑨Allegro con fuoco 自国がこうなの? 舞曲を地味に繋いだような調 |
子だけれど、、、気持はしっかりこもってますな。 |
⑩Molto allegro ハンガリーの民族衣装に身を包んだ人々が踊る・・・ |
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NAXOSレーベルでのルトスワフスキやペンデレツキの録音でお馴染み |
の指揮者ヴィトと手兵がまずまずよかった。どちらの曲もきっちりしてい |
るし、重くない曲に、ちゃんと表現意欲や乗りを感じることができたようで |
もあったし。 |
★数はピアノ協奏曲対象。ショパン大好きさんにも、ショパンに少々倦ん |
だかたにも、これはいいんじゃないか。
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