ちょっと苦手なジャンルです。演奏形態のことです。 |
みな‘和風’が匂うものばかりですが、古臭さや居心地の悪さは全くあ |
りません。 |
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①②③: |
フレーズ的に③の最後は①の出だしのものになって終わる。 |
ソロ・ヴァイオリンにこれほど聴かされるのは久々もいいところ。 |
和風もたまになら、いい。 |
②の子守唄に引っ張り込まれる。 |
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④⑤: |
解説には蕪村の俳句なんぞも書いてあって、これももろ和風。 |
古風で雅な田舎の風景ないしそれを臨む心象というところ。 |
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⑥: |
動きの激しい奇想曲。 |
理屈はあるのかもしれないが、まあ糞まじめにではなく、いたって楽しく |
聴ければいいのだろう。 |
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⑦⑧⑨: |
上記の作曲家たちのひとまわり上の有名作曲家。 |
苦手な無伴奏もの。 |
ライナーは作曲者本人が書いていて、オーネット・コールマンが60年代 |
半ばにやってきた時に弾いた‘ヴァイオリン’の話から説き起こしている。 |
それぞれの解説は、ワタシには屁が付く理屈と言っても良くて面白くもな |
んともない、ハイそうですかという感じなんだけれど、民謡やその他古い |
音楽のように聞こえるフレーズ、あるいは擬音がちらりほらりと聞こえる |
せいか、日本人独特と言ってもいいような感性や精神性みたいなものは |
紛れもなく横溢していて、違和感なく聴きごたえがある。 |
70年代にかなりいろいろ聴いた記憶はあるんだけれど、ほとんど覚えて |
ません。それも器楽曲や管弦楽曲は全滅。ただ、合唱は主戦場だったん |
じゃなかったか。WIKIでは「合唱のためのコンポジション(1-18)」と載って |
いるのに入っているのだろうな。曲名は『子供の領分』だったと思う、わら |
べ歌を繋いだようなもので、レコードはオケ伴。ほかにもレコードは買った |
けれど、こればかりなぜかよく覚えてます。ご本人はこの曲、後年、なん |
だか認めておられないみたいなことを言っていたか書いていたのではな |
かったか・・・、他人のフンドシだからかな・・・、脱線。 |
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ライナーノーツは各作曲家が自分で曲の紹介を書いている。その後ろに、 |
なんとあの宇野功芳氏の評が載っている。 |
この御仁のことは強烈に記憶にあるんです。なにせ、こっちは高校に入り |
たてのころから「ステレオ」などという雑誌を読んで、歯に衣を着せない独 |
特の文章に反応してましたから。その苛烈な批評に納得したり腹を立て |
たり。特にブルックナーやモーツアルトなんか熱っぽかったなあ。簡単に |
言うとどれだけ演奏者の精神や気持ちが音楽的に入っているかどうかと |
いうのが、主な評価基準だったか。 |
本来は合唱の指導者だったようですが、後にはオケを指揮してブルックナ |
ーなどを録音したりもしていたんじゃなかったか。聴いたことはありません。 |
ところで、この先生の現代ものの批評はほとんど読んだ記憶がない・・・ |
ま、何度も書いていることで、音楽雑誌など何十年も読んでませんし、情 |
報もほとんど得ようとしてませんので、詳しいわけがないんですけどね。 |
で、要するに宇野氏べた褒め。 |
氏の文章はさておいても、日本人にはわかりやすい、抵抗感ほとんど感じ |
ない現代音楽だと思ったしだい。 |
ただ、このCDは宇野氏じゃないが、気の入り方が尋常いじゃないので、気 |
軽には聴けない。時を選ぶ。 |
音はとてもリアル(リアルすぎる気も若干)。ホールトーンは豊か。 |
ストラディバリだそうだが、けっこう太く荒々しく聞こえることが多かった。乏 |
しい経験からだが、ストラディバリウスというと細めで上品で繊細な感じだ |
けれどよく通る・・・ 。でもそんなことは知ったこっちゃないですな。プロでも |
なきゃ、人間の耳なんて、味覚とおんなじで、大したもんじゃない、いとも簡 |
単に騙されるからね、信用なんかしてません、その時その時どう感じるかで |
よろしい。 |
で、名盤かも・・・ハハハ。 |