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もう20年以上も前の作品で、「犬たちの・・・」の続編。「犬・・・」のほうを読んだの |
はいつのことだったか。 |
昨今の猫ブームのせいか、目について拾い上げた。 |
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(Bookデータベースより) 猫は何を考えているのか。人間をどう見ているのか。他の |
猫との関係はどうなっているのか。彼らの行動の背後には何があるのか。人類 |
学者が、トラやライオンなどとの対比を通して、「狩りをする」動物、猫の本質に |
迫った無類に面白い猫の本。 |
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底流的に友人の飼うピューマを置いての、猫族全般にわたる観察や考察。 |
非常に醒めて落ち着いた記述がすばらしい上に、非常に広い愛情を感じる。そ |
れに、「よくわからないが」と書かれていても、フィールドワークに基づいているか |
らか、説得力が抜群。進化の知識もちゃんと持っておられる。それでも、やっぱ |
り愛情、かなぁ。人類学者としてアフリカと縁が深く、フィールドワークもそこでの |
ものが多い。 |
昨今のネコブームを切り捨てるつもりはさらさらないものの、なかなかドラマチッ |
クで切り口鋭い猫族の説明で、猫を見る目が変わるかもよ、とは言えるね。 |
人の側がいかに思い違いをしているかはあきれるばかり。人からすれば、社会 |
(性)のちがいがあまりに大きく、社交(性)などかなりわかりにくいのですな。 |
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具体的には、殆どの行動が「狩り」の擬態なんだなどという野生の捉え方が、わ |
かりよく書かれていて、いちいち腑に落ちる。 |
テリトリーというものの考え方、持ち方、棲み分け使い分けも不思議がいっぱい。 |
食べ物のことが中心にはあるのだけれど、餌としての人間、餌を与えてくれる人 |
間も、ともにテリトリーという概念で捉えているとかね。 |
飼い主にひっかける尿なんてのもそうなんだって。(そういや犬もションベンをひ |
っかけることあるけどなあ・・・) |
基本的に、本能の出方の確認やその考察記録。帯の惹句よりはるかに深い。 |
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特にライオンの観察記や経験は詳しくって、迫力満点。 |
昔、親父の本でアダムソンの「野生のエルザ」(シリーズがあった)を子供の頃読 |
んで面白かったけれど、そこでやっていたことや観察とは違って、ここのは一層 |
考察が行き届いているように思う。 |
などと思いながら読んでいたら、‘びっくりポン!’、当のエルザのことが出てきた。 |
ジョイ・アダムソンさんや夫で俳優のビル・トラヴァースさんともきっと面識があっ |
たんやろう。 |
理解しがたいほどの『自制心』というのもビックリ。 「第二部 昔ながらの流儀」に |
くわしい。思い浮かべるライオンの顔が「思慮深さ」という言葉と結びついて、妙 |
にもっともらしい感覚すら覚えるね。 |
さても、大型猫族(意外や‘安定を望む’!)の未来は、、、なんだか暗い。もちろ |
ん、人為的な環境の変化による。 |
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家猫、ライオンに続いて、虎やピューマなどが取り上げられて、見聞や考察が |
綴られて行く。ライオン系とトラ系の性格の違いなど、目から鱗。 |
引用したい箇所だらけになってしまったので、文章の抜書きはヤンペ。 |
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先に出た「犬たちの隠された生活」 ほどでなくても、かなり売れた本のはずで、 |
ぼんやりした記憶によれば、この猫族の本は、評価が高かった。 |
「犬・・・」のほう、読み返してみたくなっちゃった。(もう処分して、ない。そこの図 |
書館にも確かなかった。) |
こんなの、今は普通の知識だよなんて言う方もおられるのかもしれないが、ワ |
タシとしては未読の動物好き、猫好きにはぜひぜひ薦めたいと思った。 |
家猫の背景がどーっと広がります。 |