アメリカの音楽。 |
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(1)英国のモーランが大いに気に入り、交響曲の感想を載せた時、コメントを書 |
いて下さった方がいた。その方が言うには、トンプソンと似た感じじゃないかなあ |
といようなものだった。 |
それ以後気になりましてね、似ておればきっと好みだろうし。 |
少し調べたら、トンプソンという作曲家、何人かいまして、ようやくこのランドール・ |
トンプソンのことらしいと分かった。 |
そんなことで見つけたCD。第2番かどうかは書いていなかったと思うが、これし |
か見つけられなかったんで、まあこれということにして手に入れてみた次第。 |
結論は、、、似てない。 |
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第1楽章Allegroは、軽やかでメンデルスゾーンやビゼーの交響曲のよう。国籍 |
は、でも不明な感じ。 |
第2のLargo、第3のVivace、第4のAndante moderatoでは、あくまで明るくさわ |
やかに(濃厚にではないけれど)アメリカの雰囲気、音色が醸されて、なかなか |
よろしい。形式などいたってきっちりしていて古典的。 |
しつこいが、モーランのたった一曲の交響曲は淡いものの、曲想きわめて多く、 |
あくまでイギリスの雰囲気の交響詩的作品。主張の強さもある。軽くも脳天気 |
でもない。だからトンプソンの音楽はつまらない、と言うつもりも全くない。全く違 |
ったタイプの音楽。‘気にする’ことはなかった。 |
勿論アメリカの雰囲気といったって、もとは英国やアイルランド発のものが多い |
わけで、往々通底するんだけれど、といっても‘アメリカらしさ’というのも確かに |
あるわけで・・・ やめときましょう、言い訳めいてきました。 |
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(2)チャドウィックも初めて。名は一応(NAXOSで)知っている。 |
ああやはりドイツで学んでいるんだ。で、このごろ取り上げているロマン派グラ |
ズノフよりも生年は前。リヒャルト・シュトラウスより10歳上! 19世紀の音楽。 |
⑤ロマン派の序曲だと聞違えるほど。まあ、19世紀半ばの生まれなんだから、 |
そういう雰囲気もたっぷり残っていたろう。そこに浸っていたんですな。 |
聴くのは初めてだから、新鮮ではある。 |
ブラームスばり。題材はギリシャ神話か。初演は1887年。 |
⑥これももろにドイツロマン派の管弦楽曲を思わせる。 |
中身は19世紀のアメリカ版浦島太郎といったキャラクター、リップヴァンウイン |
クルの物語(ワシントン・アーヴィングの短編小説)を題材にしたものらしい。 |
初演1879年。やっぱ19世紀だよ。アメリカの19世紀にも、ちゃんと19世紀なりの |
作曲家はいたというだけのことか。 |
⑦この題材はファンタジーのようだけれど、20世紀に入ってからの作品ではあっ |
ても、やはりロマン派の音楽。前の2曲よりは新しい感じがあり、後期ロマン派 |
にちょっと近づいたろうか。まあそんなことはどうでもいいことだけれど。ただ、若 |
干ながら、後半、アメリカ的な音が聞こえてくる気がし、またそれが聴きどころな |
いし魅力のような気がする。なかなかドラマティックな大作。 |
三作中ではこの⑦がいい。 |
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ワタシとしては、トンプソンのほうが楽しめたかな。 |
チャドウィックののびのびとして古風なロマンティシズムには、特にこだわってみ |
たい気持ちは起きないものの、好感は持った。 |
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お父さんのほうのヤルヴィとデトロイト響はなかなかいい感じ。 |
これはCHANDOSの録音だからだろうか、ホールトーンが豊かで、かつ曲本来 |
のパワーも十分感じる。
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◇ |
さあて、懸案の(もちろん勝手に‘そういうこと’にしている)オペラ「ピーター・グ |
ライムズ」、ぼちぼち聴いてみようという気になっている。 |
ただし日本語対訳が付いたCDが手に入りそうもない。 著作権の問題があるの
か、本も見つけられない。
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DVDだとありそうなんだけれど・・・ ワタシには値段が高い。近くの図書館には
なかった。
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「間奏曲」は好きでも、もともと相性の悪いブリテンですからねえ、聴いた結果 |
がちょっと怖いけど・・・、特に何か失うなんてことでもないんだし・・・ |
ご本人の録音よりはもう少し新しい方がいいな。もう少し探してみよう。 |