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なにか現代ものをと思って選ぶ。名前は昔から知っている米国の作曲家。 |
CD1枚丸ごと聴くのは初めて。 |
NAXOSのHP.には紹介文に当たるものがない。 |
先入観なしに聴けるというもんだ、と書きつつ・・・ |
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ジャケット裏に短い英文が通常載っていて、これを大雑把に見てしまう・・・ |
ブックレットの中の横文字はパス。 |
音楽の中身のことは何も書いていない。どんなに有名であるとかどんな賞 |
を受けたとか、せいぜいなにに触発されたとかいったことがあるくらい。 |
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ここに並んでいるのは、フルートが出てくるという括りで選ばれた曲のよう。 |
もともとこの作曲家の曲の多くは小編成で、フルートや弦楽器に喋らせな |
がら演奏させたり、演劇的なパフォーマンスを求めたりもすることもある。 |
(1)に for Three Masked Players なんてあるのもそうなんだろう。 |
神秘主義的、悪魔主義的などという言われ方もする。 |
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(1)フルートを吹きながらエイトケンが唸る。 |
録音した鯨の声に触発されたもののよう。 |
フルートもピアノもチェロもamplifyされたもの、勿論声もだろう。 |
声はうがいの音が響いているよう、全体的には中東の感じ。 |
少しだけドビュッシーのような匂いがするのは、武満に似ていて、なにか |
繋がりがあるのかな。この感じはどの曲にも言える。 |
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とはいえどの曲もたびたび聞けるような音色はなく、まあ、言いようによっ |
てはかなり美しい。 |
(2)のようなドイツ系現代音楽のような歌(といっても詩はロルカ)は、ワタ |
シは例によってあまり理解したいとは思わないが、まあ違和感はあっても |
懐かしいような声の扱いで、単なる楽器音として聴いておれる。 |
(3)でもエイトケンは少し喋っている。何度かドビュッシーの‘シランクス’が |
聞こえる。時々ティンパニが爆発する。ひそひそした喋りは少し煩い。ティ |
ンパニも十分煩いけどね。 |
(4)は木の精のお喋りのような(?)曲・・・ と言っておけばいいようなものだ |
けれど、ひっそり閑として、音色は美しく懐かしい。いや、文字通り「なつか |
しい」気がするのです。 |
ピアノの低音をドスンドスンと鳴らしたり、弦をいじくったり、木の部分を叩い |
たり。そのほかどの楽器もささやき声も、森の生き物たちや物音のイメージ |
的なものを模しているみたい。 |
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ワタシは(4)がいいかな。 |
いずれの曲も、抵抗感なく聴いておれるのに我ながらびっくり。若い時には |
取り合わなかったでしょう。 |
そんなもんで、年を取れば、つい変わらないはずだと思いがちな感性がいろ |
んなふうに変わってきてはいるんだなあ、という感慨みたいなものを、スロー |
モーションでに棺桶に入りつつ感じつつ、というところです。意味論ではあり |
ません、むしろ肉体的なことです。もちろんのこと、神秘主義的、悪魔主義 |
的なものなど感じられない。 |
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