休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『馬々と人間たち』

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20151006(了)
映画『馬々と人間たち』 Of Horses and Men
  ベネディクト・エルリングソン監督//イングバール・E・シーグルズソン/
   シャーロッテ・ボービング/ステイン・アルマン・マグノソン/
   ヘルギ・ビョルンソン
  2013年/アイスランド映/81分/DVDレンタル
  <★★★★>
 
アイスランドの荒涼とした地域、雪をかぶったさほど高くない山々。氷河や氷河
が通り過ぎた地形がドーンとある。平地は少なく、草が覆っていたり、岩ゴロだ
ったり。海も近い。集落はちらほら。共同で馬の放牧をしているよう。
馬たちの生活と、監視し合う人間たちの厳しく狭い生活が、生も死も欲望もちょ
っとずれた形で、のほほんととでもいうような感覚で描かれている。素朴とも言
いにくい。ケイタイやパソコンはほとんど見えないが、どう見ても‘現代’。
人間のほうの話は、オムニバスっぽく繋がり、ほぼ1年をぐるっとひとまわりす
る。馬たちも無理やりそれに付き合わされているように描かれている印象。
素っ頓狂といっては失礼かもしれない、「死」だってあるわけだから。でも、、、
素っ頓狂だらけだよ、これは。
たとえば、独身男と未亡人が惹かれあっているらしいが、それぞれの馬が先に
結ばれてしまう、なんてねえ。おかしい!(それが写真/ポスター)
どの話も馬の目から始まるので、馬の視点みたいにも見える。それは別にどう
でもいいことだと思うが、映画的にはオモロイのかも。
この田舎にも「観光客」がやってきたりするせいだろうか、言葉は北欧系のもの
(これが多分アイスランド語なんだよね)が中心でも、無理なく英語が挟まり、
その他2-3の言葉が混ざっているみたい。
付けている音楽は地場の音楽に近いイメージものが中心なのかもしれないが、
ちょっと変わってたのは、ジプシー音楽っぽいものがたびたび聞こえたこと。あ
れは地元のものじゃないだろう? 知らないけど・・・。
活火山とか温泉とか水産業、縮小しつつある氷河くらいなら思い浮かべられる
が、映画の世界とはいえ、なんたってこんなふうな日常世界は、ありそうでやっ
っぱりない、みたいな。
映画として戯画化された、デフォルメされた、「日常」だろうとは思うものの、こん
なものを楽しく観ることができるのが映画のご利益。観るほうはいろんな解釈を
してしまいそうだけど、まずは唖然。