| 外交官であった継父によって世界を転々としてきた主人公は、その跡を継ぐように |
| 外交官の道を進む。フロリダにいる時に母国(英国)に戻ることになる。直前に友人 |
| から紹介された歌手夫婦と知り合いになったところ、彼らも英国に行く直前。 とこ |
| ろが彼らが何者かに襲われてしまう。しょうがなく英国まで同道、英国に着いてか |
| らも請われて同道・・・。そこは主人公が子供の頃いてよく遊んだチェルトナム競馬 |
| 場界隈。ところがその夫婦の娘と彼氏が獣医関係として勤める動物病院が放火に |
| 遭い、人間の死体まで出るに及んで、同道どころか今度は主人公は正真正銘の |
| ‘事件’に関わらざるを得ないことに・・・ てな感じで、かなり強引ながら、予定通り |
| 競馬に絡む事件と相成る。 |
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| 外交官関係の職位としては、若いのに相当に高いのだけれど、“この紋所が目に |
| 入らぬか!” なんて態度は絶対に取らず、お人よしとして手伝い、サポートに徹す |
| る。というか、「この紋所」ってやつが、実はほとんど通用しないというのが、わりと |
| お国柄を映しているのかも。 |
| (競馬馬の)獣医という切り口。これまでありそうで、なかったと思うけれど、主人 |
| 公はあくまで外交官。外交官というのが初ものなんやね。さすが。 って、これはフ |
| ランシス作品を読む人にとっちゃあ、同じ主人公のもの数冊を除き、主人公の職業 |
| がダブらないのは常識。 |
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| 主人公の苗字がダーウィンで、知らない人は必ず、あの‘チャールズ’のゆかりの |
| 人間かどうか訊いてしまうという設定もあって、これは、珍しくもギャグとして使わ |
| れている。わざとらしいという向きもあろうが、ことフランシスともなれば、珍しく |
| も可愛い。 |
| そういえば、ゴルフの記者ないしコラムニストとして英国では有名なバーナード・ダ |
| ーウィンというかたがいて、この人はまさにチャールズゆかり(孫)のかた。夏坂健 |
| さんのエッセイに何度も出てきたが、チャールズとの関わりをしょっちゅう訊かれる、 |
| なんて記述は読んだ覚えがない。 |
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| 最後の赤木かん子さんの解説が素晴らしい。結びのところだけ書きだしてみます。 |
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| サラ・パレツキーが生み出したV・I をはじめとして、女性探偵ものの最大の |
| 弱点はいい男が出てこない・・・・・出せない、描けないってことです。それ |
| がつまらなくなったら、次はディック・フランシスよ。そしてフランシスの本 |
| にはいい男だけじゃなく、彼につりあう、いい女のモデルもいっぱい登場する |
| んだから――。しかも中年も老年も、ですよ。 |
| だから今、読む本がなくなったら・・・・・ディック・フランシスなんです。 |
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| 文庫化が1997年だから、上記文だって18年前のものなんですな。で、これは完全 |
| に女性向きの解説。いまどきフランシスを読む女性、いないだろう。というか、その |
| ことより推薦者がきっと減っているに違いない。みんな年取ってさ。 |
| V・I って、ウォーショースキーでしたっけ。昔読んだことがある。こんなところにパ |
| レツキーが出てきてビックリしたけれど、たしかになあ、‘いい男が出てこな’かった |
| ような気もしてきたぞ。(なんてね、覚えているわけない。) |
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| 菊池光さんの訳、「~なのだ」調。やっぱりええわ。 |
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| フランシスの45冊、未読はあと3冊。 |