休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『NO』

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20150610(了)
映画『NO』
   監督;パブロ・ラライン/ガエル・ガルシア・ベルナル/アルフレド・カストロ
   ルイス・ニェッコ/アントニア・セヘルス/マルシアル・タグレ
   2012年/チリ・アメリカ・メキシコ合作/108分/DVDレンタル
   <★★☆>
 
(映画.com解説) 「バベル」のガエル・ガルシア・ベルナルが主演し、第85回アカ
デミー外国語映画賞にノミネートされた社会派ドラマ。「Post Mortem」「トニー・マ
ネロ」でチリのピノチェト独裁政権を題材に描いてきたパブロ・ラライン監督が、同
政権の終焉を描いた。1988年、ピノチェト政権への国際的な風当たりが強まる中、
ピノチェトの任期延長の是非を問う国民投票の実施が決まった。任期延長に反対
する「NO」陣営は、若き広告プロデューサーのレネを採用してキャンペーンを展開
するが・・・。日本では2012年・第25回東京国際映画祭コンペティション部門に出
品されて上映され、13年・第10回ラテンビート映画祭でも上映。14年に劇場公開。
かのピノチェト大統領の任期延長を巡る国民投票を前に、イエス派とノー派がテレ
ビでのCM合戦を繰り広げる。それも、それぞれ別の意味で戦々恐々の状況の下
で・・・という映画。
同じテレビ会社の役員のような立場の上役がイエス陣営を、下の若い広告プロデ
ューサーがノー陣営を受け持つという不思議な構図。
‘広告プロデューサー’というのがミソ。
テンポはそんなに悪くはないし、中身の切実さ、危険度などは一応伝わっては来
るんだけれど、あえてさほど盛り上げたりはしないで、淡々と描く。
ここで観るかぎり、若いプロデューサーの働きが大きく寄与して、反対派を勝利に
導いたといっても過言でない。それはノー陣営も観ているものも分かるが、その彼
を持ち上げたりはしない。リアリズム的には、イエス陣営のけつまくりだって怖か
っただろうしね。
ピノチェト大統領がうやうやしく位を返還するのが実際のニュース映像として流れ
てはいたけれど、それは‘直後’の表面的なこと。
独裁国家民主化されても、国民は幸せになるとはかぎらない」
そんなニュアンスも嗅ぎ取れるように作られた「映画」なのかもしれない。文句を
言ってもしょうがない。
NHKの小一時間のドキュメンタリーみたいなもので済んでしまうような気もする。
今のチリったって、ぜんぜん知らない。
ヨーロッパでは関心が高い題材ということなのかナ。
お隣のアルゼンチンも政情的には怖いという認識だったが、今はどうなの?
ニュースショーなどで扱われたりしないと関心が湧かないワタクシメ・・・