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(映画.com解説) ウッディ・アレン監督が初タッグとなるケイト・ブランシェットを主演 |
に、上流階級から転落したヒロインが再起をかけて奮闘し、苦悩する姿を描いたドラ |
マ。ニューヨークの資産家ハルと結婚し、セレブリティとして裕福な生活を送っていた |
ジャスミンは、ハルとの結婚生活が破綻したことで地位も資産も全て失ってしまう。 |
サンフランシスコで庶民的な生活を送る妹ジンジャーのもとに身を寄せたものの、不 |
慣れな仕事や生活に神経を擦り減らせ、次第に精神が不安定になっていく。それで |
も再び華やかな世界へと返り咲こうと躍起になるジャスミンだったが……。 |
第86回アカデミー賞でブランシェットが主演女優賞を受賞。 共演にアレック・ボール |
ドウィン、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガードら。 |
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ブランシェットの堂々たる横綱相撲という感じ。実際背の高さが強調されている気も |
しないでもない、、、いや、そんなことないか、ヒールの低い靴はいてたみたいだ。 |
観るのをちょっと敬遠していたんだけれど、拒む理由は、結果的には‘あった’、正解 |
だったのですよ。 |
このしんどそうな、観て満足できるか怪しそうなお話を、ちゃんと嫌がらずに観せるに |
は、演出や編集が必要なのはもちろんで、老獪アレンさん、なんとかやり遂げたと思 |
うが、魅力はなんといっても、ブランシェットの存在感や演技に向かうでしょう。 |
さばけて庶民的、性的にもいたっておおらかな腹違いの妹の存在が(その立ち位置 |
も含め)、実はたいそう大きくて、たいそう微妙。対比の妙というところ。もっとも180度 |
離れた両端どうしというわけではけっしてない関係だと思う。 |
人間性のいわばダークサイドふうなものを皮肉をたっぷり込めて嗤うコメディだ、それ |
も舞台劇のような。 |
幕切れは、それなりにグサッと来る。女性は案外笑うらしいが、男は逆に、なかなか |
ねえ、そうもいかない気がする。どうなんだろう。 |
人間性(ここではおもに女性性)の切り取り方にもいろいろあって、こういう突き放した |
ものも普通。これだって嗤えばいいんですよ、と言ってくれているようではある。 |
老境の名監督、、、人間喜劇にネタ切れはないのですな。
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