(帯紹介文) 交響曲第1番はグラズノフなんと16才時の作品です。後の |
作品と比べるとぎこちなさは残しますが、青年らしいさっぱりとした歌い |
口は、既に聴かせどころを押さえています。一方その12年後に書かれた |
交響曲第4番は、ロシア音楽中毒者御用達の風情を濃厚に漂わせた充 |
実作です。中庸なテンポでロマンティックな旋律が心ゆくまで歌われる |
第1楽章、民族色豊かなスケルツォの第2楽章、序奏に引き続く一大フ |
ァンファーレからエネルギッシュに突進する第3楽章と、3つの楽章が三 |
様に魅力満点です。 |
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1番、比べようと思って安直に思いついた才能がシューベルトとビゼー。 |
シューベルトが5番ぐらいまでの交響曲を書いたのが1811-1815年ぐ |
らい、14歳から18歳というところ。 |
ビゼーがあの交響曲を書いたのが1855年で、17歳。 |
このグラズノフの1番は、確かにずいぶん遅れて、1882年で16歳作。 |
シューベルトからは70年前後、ビゼーからは27年ほどもたっていてこの |
曲調なのでは古くさすぎないか、と思わぬでもないけれど、いやいや、 |
16歳なんてねぇ、作品5だよ、なんという恵まれた才能。 |
ロシアの風が常に吹いていて、さっぱりとしたこの甘さ! |
知らない人には聴かせてあげたいものです。 |
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一方、3楽章の第4交響曲は、紹介文に要領よくまとまっている通り。 |
これもなかなかいい。 |
特に第1楽章の充実具合は素晴らしい。 |
師のコルサコフのサウンドやメロディ、チャイコフスキーの洗練されたロシ |
ア風味、などがたっぷり詰まって嬉しくなってしまう。 |
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例によって最高の録音でも、最高の演奏でもないかもしれないですが、 |
逆に妙にリアルさがあって、‘ロシア’のよいイメージを感じた。 |
“ロシア音楽中毒者御用達の風情”なんて変な表現だけど、まあ、わか |
ります。 |
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(中古屋のNAXOSのグラズノフ4枚目で、これで在庫なし・・・) |