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(帯紹介文) ブリッジは第一次大戦頃を境に大きく作風を変えていますが、 |
当盤ではその前後にあたる、弦楽四重奏曲2曲を聴くことができ、あたかも |
別人の2作曲家の作品を聴くかの趣きもあります。前者にあたる第1番は、 |
旋律美をたっぷり味わうことのできる、ロマン派の流れを汲むものとなって |
おり、第2楽章の哀愁をたたえた美しさなど、大変に親しみやすいものとい |
ってよいでしょう。一方後者となる第3番はうって変わって、ベルクを思わせ |
るような鋭く厳しい、しかし調性は後退しても、無味乾燥とは程遠い濃密な |
響きが全曲を支配しており、こちらはこちらで一旦中毒するとハマッてしま |
うような、妖しい系の美しさが魅惑的です。 |
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(1)第2楽章もたしかにいいけれど、第一楽章からして馥郁たるロマンの香 |
り豊かな音楽にすっかりくつろいでしまう。 |
イギリス音楽だという意識が抜けないせいか、なんとなくイギリスの匂いも |
嗅ぎつけられるような気がしてしまう。(好きに、そう思ってりゃいいんだけど |
さ) |
最終楽章はわりと暗く、不穏といってもいい終わり方をする。 |
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(2)前曲が不安な終わりからをするのと呼応するように、いたって自然にこ |
の暗い3番に入って行く。 |
ブリテンの先生で、ポスト・マーラー世代の忘れ去られた作曲家の一人だ |
そうだが、名も音楽もちょいちょい聞いていたから、フーンという感じ。 |
たしかに濃密な音楽ながら、印象には残りにくいかなあ。 |
聴いていて、何か独特の“澱”のようなものを感じるというのが以前からの |
印象で、この3番にはそれが顕著な気がする。 |
はっきり言えば ちょっと抵抗感がある。1番のほうがのんびり聴いておれ |
る。 |
ブリテンが師ブリッジの作品を擁護したと伝えられるが、どこか両者には共 |
通点がある気もした・・・ |
(しばらくしたらそのブリテンの弦楽四重奏曲も聴いてアップする予定) |