凝ったようでもあり、稚拙なようでもある、けっこうちぐはぐな文章。 |
勿論すべて確信犯的、意図的だと思われる。 |
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「苦役列車」のほうが発表は後で、ものぐさな日雇い労務者の生活を描き、臭い |
が嗅げそうな感じ。危ないほどのカッとしやすさ、裏腹のヘコヘコ。 |
『落ちぶれて・・・』のほうは、発表は上記より後。時間的には上記の何年か先の |
話で、小説家になっている。性格的な一貫性は確かにある。 |
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古めかしい言い回しの不自然な入れ込み、硬い言葉、助詞のたぐいのすっ飛ば |
しのような言葉づかい(東京の方言的言い回し?)などが良くも悪くも特徴的で、 |
もちろんのこと確信犯。稚拙に見えても、そうじゃない、ワタシには書けるわけも |
ない。出た時の朝日の書評ではなんと書いてあったか、忘れてしまった。「力技」 |
的な表現があったような・・・ |
ところが実はこの主人公、たいそういじけた感じで、かつ脳天気なので、だから |
ワタシにだって書けるかも、なんてちらっと考えてしまうのだろうが、その意味は、 |
このキャラクターや置かれた状況が、感覚として非常によくわかる、空想上自分 |
をそこへおいてみることがとても簡単そうに思える、ということなんだな、きっと。 |
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ぽっと出でない私小説書きやね。 |
この本の2作品、興味深い世界? |
文学的にすごい? (芥川賞) |
実験的であったりする? |
やり場のない怒りや劣等感に満ち満ちているわけですが、変わった人間性だっ |
たりする? |
自分のことを棚に上げてと言わざるを得ないのもしゃくだけど、悲しくて、間違い |
なく‘こいつもか!という共感ベースのおかしみ’がある。イライラと共感し、共感 |
してしまったことに結局腹が立つ。(ウーン、そこかな、ワタクシメの問題は・・・) |
いまどき時代錯誤だと思わぬでもないながら、若者の小説や漫画にはこの手の |
作品が、ただいま現在もきっとたくさん生み出されているんだろうとは思う。 |
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(紹介文引用)・・・こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くので |
あろうか――。青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と痛飲、そして怨嗟と因業・・・ |
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そう。 |
ある種のおかしみも含め、社会学的理解だってできたつもりながら、恥ずかしな |
がら文学論なんぞに興味もないワタシには、気分の浮き立たないこと甚だしい。 |
短くてサッと読めるので、読みたくない本だったとわかった徒労感も短くて済み |
そうですが・・・。 |
ワタシはやっぱりエンタテインメントのほう中心でいい。口直しがしたい。 |
(ああ、嘘っぽい作文になりました。) |