休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

R・ヴァリ: フルート協奏曲他

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20150327(了)
ヴァリ/フルート協奏曲 他
   Reza VALI(b.1952)/Flute Concerto
(1)フルート協奏曲(1998)
  ①Adagio 9:31  ②Lento,Molto Allegro 17:32
(2)民謡集(第10セット)(1992)
  ③ラヴ・ソング                   4:22
  ④ルリスタンより歌曲              2:02
  ⑤悲しみ、オリヴィエ・メシアンの想い出に  6:15
  ⑥テヘランのポピュラー・ソング         5:11
(3)ディラーマン(1995)              19:33
  ギル・ローズ指揮/ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
  アルベルト・アルマルサ(Fl.)
  ジョージ・マグルディチャン(バルバト)/ジャンナ・バティ(ソプラノ)
  録音;1998年2月、2000年12月、米、ニューイングランド音楽院、
      ヨルダン・ホール/ウェルズリー・カレッジ、ホートン・チャペル Tot.64:27
  2004年5月/CD/現代音楽/協奏曲等/NAXOS8.557224/輸入/中古
  <★★★☆>
イラン出身のかたの音楽。
(CD帯紹介文) クラシック音楽の一大特徴として、西洋・ヨーロッパ以外の
音楽的要素でも、巧みに融合してしまう「包容力」の大きさがあるのではな
いでしょうか。アラビア文化ももちろん例外ではなく、当盤は生粋のイラン人
ヴァリの手による、民族色豊かな作品が収録されています。フルート協奏
曲のソロパートのように、吹きながら声も出す(!)といったオドロキの特殊
奏法で、民族楽器風の響きを模したりするのは(2の終わり近くのカデンツ
部分が分かり易い)、大変にユニークです。また敬虔なカトリック信者であり
ながら、異教的志向も見せたフランスの大作曲家、メシアンへのオマージュ
作品5があることも、注目されます。
(1)非常に美しい①も、聴くほどに耳に馴染むけれど、ごちゃごちゃと色々
なものが混ざり合い、それがとても生き生きしている②が面白い。欧米、特
アメリカとイランがゲンダイオンガクしつつ融合し合ったみたいな感じだよ
な、これ。不思議と違和感がない。一聴に値すると思う。
(2)マーラーの音楽だって、民族色に近い部分が少なくないんだろうなあと
思いながら聴く。
オケがけっこう尖がっている。
切なげに盛り上がる③、メロディ独特。⑤ではメシアンは連想せず。⑥のメ
ロディも独特で、打楽器を多く交えて激しく盛り上がる。いったいどんな歌詞
なんだろう。
(3)これは、イスラーム風味をアメリカの大都会の中へ盛大にぶちまけてみ
たような、外連味たっぷりの派手なオーケストラ曲。
大仰に盛り上がっては暗い静かな調子に戻るというのを3回繰り返すが、
カッコよくできていて、民族色も聴きやすい。
先にマーラーの名を出したが、ここにはマーラー交響曲に出てきたような
フレーズが2度、金管で一度、木管で一度聞こえた気がした。
中東発ということで似通って聞こえるようなものって、あるんだろうなあ、、、
なんて思っているうちに、チェロやビオラなどによる不安定な音程がずーっと
流れる状態が続き、そのまま終わってしまう。
中東系のフレーズったって、昔からいろんな形でヨーロッパに入り込んで来
ていたに違いないわけで、むしろ当然のように溶け込んでしまっていた。だ
から素人にはもはや‘それ’とは気づかないまでになっているんじゃないの
かなあ。ユダヤ系だろうがイスラム系だろうが。多分ジプシー音楽なんかよ
りもっともっと古くからさあ。(、、、と、休むに似たりの考え、でした。)
この方、テヘラン生まれで、テヘランとウィーンで勉強したが、活躍の場はヨ
ーロッパじゃなく、ビッツバーグなど、今はイランとはうんと仲が悪いが、敵の
敵は味方みたいな感じで、接近傾向もある米国のよう。
聴くうちにすっかり馴染んでしまった。