休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

グラズノフ : 管弦楽曲全集 第10集

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20150312(了)
グラズノフ管弦楽曲全集 第10集
GLAZUNOV(1865-1936):Suite Caractéristique ・ Chant du Destin
(1)運命の歌 Op.84 (1908)
   ①Moderato     19:02
(2)性格的組曲 Op.9 (1884)
   ②序奏        2:20
   ③田舎の踊り    3:13
   ④おどけた間奏曲  7:53
   ⑤謝肉祭       5:08
   ⑥田園曲       6:03
   ⑦東洋の踊り    4:46
   ⑧哀歌        4:30
   ⑨行列        3:48
(3)前奏曲 Op.85-1 「ウラディミル・スタソフの思い出に」(1906-8)
   ⑩Andante      6:14
(4)前奏曲 Op.85-2 「リムスキー=コルサコフの思い出に」(1906-8)
   ⑪Andante lugubre 12:22
   イゴール・ゴロフスチン指揮/モスクワ交響楽団
   録音:1996年4月、ロシア、モスクワ、モスフィルム・スタジオ Tot.75:26
   1999年8月/CD/管弦楽曲/NAXOS 8.553857/輸入/中古
   <★★★★△>
1月31日にアップした第9集に続いて。
 
(帯紹介文) 大好評のグラズノフ管弦楽曲全集、本巻ではそのシリアス
な面が注目されます。何といっても圧巻は、ロシア音楽界の巨人二人を
偲んで作曲された哀歌風の前奏曲2曲です。葬送曲の趣も強いこの2曲
は、あたかも重く引きずる足取りのような低弦、響きわたる弔砲を思わせ
るようなティンパニの強打などによる、張りつめるような厳粛ムードが支
配的ですが、それだけに、途中に差し挟まれる「慰め」を表すかのような
長調の部分も実に感動的です。その他、例のベートーヴェンの「運命の
動機」を思わせるような動機が特徴的な「運命の歌」の迫真のドラマ性、
性格的組曲の多彩さ(これまたドラマティックな「哀歌」が秀逸!)なども
要注目です。
(1)上記文の“「運命の動機」を思わせるような”はないでしょう、そのも
のずばりじゃないですか。とにかく、ダダダダーンがロシア風に扱われて、
めっぽうオモシロイ。そして、素人が言うことじゃないんだろうが、作曲の
「模範」みたいな感じ。 ベートーヴェンのようにぶっ叩かれた音楽にはな
らいのがいい。「劇的序曲運命の歌」というのが正しい曲名のようで、全
くその通り。
(2)軽さが身上の組曲。案外なほどと言っては失礼なんだがとても品よ
く繊細で、若干乾き気味の余情が素晴らしい。それは「哀歌」だけにと
どまらない。ロシア色があって、しかも鼻につかない。19世紀の音楽。
(3)ウラディーミル・スタソフがロシアの音楽界で、どんな大物だったの
かは全く知らない。思い入れたっぷりの曲。大半が重い調子で、そう言
われれば葬送ふうだ。でも嘆きはない。
(4)やはりかなり重々しく始まるものの、こっちは自分の先生がネタで
あるためか、(3)より‘カラフルさ’が一層加わった感じ。さらに精妙! 
チャイコフスキーっぽさもあるかな。長さだって(3)の倍もあるしね、思い
入れもそうなんじゃないか。すっごく立派な曲、これもお手本みたいな。
いや、嫌味じゃない、ホントに。ワタシは音楽の勉強なんてちゃんとした
ことがないから、エエカゲンな印象以上のものじゃないですけど。
これとちょっと前に聴いた(1月31日アップ)計2枚のCDを通して言えるこ
とでね、この作曲家、暖かいのよ! これはちゃんと言っておきたいな。
その上での話。ホールやオケのサウンド、気のせいか、なんとなくロシ
ア的な感じがする。少々、、、なんというか・・・雑さと言っては語弊もあ
るものの、まぁ遠からずかもしれない。そんな感じがこのアルバムの場
合、なにやらプラスに働いているみたい。
米英の古い映画音楽のスコアを大量にこのNAXOSなどに録れ直したり
しているのをよく知っている。それとはひとあじ違って、お国ものの強み
か、はるかに水を得た魚のように生き生きしている気がしてしまうのは、
後知恵なんやろうか。 
正直な所、録音も演奏も決して最高というわけではないと思うんやけど、
それでもこういうロマン派の音楽に感激してしもたんは、結局曲がええ
んやろな。 つまり、当たり前のクラシックを、単にワタシが知らんかった
だけ・・・なん。