休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

浦沢直樹×手塚治虫/漫画『プルートゥ』

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20150224(了)
浦沢直樹×手塚治虫漫画『プルートゥ  PLUTO(全8冊)
    鉄腕アトム「地上最大のロボット」より
              (あとがき)
 1  2004年11月 松谷孝征(㈱手塚プロダクション取締役社長)
 2  2005年6月  手塚眞ヴィジュアリスト
 3  2006年5月  夏目房之介(マンガコラムニスト)
 4  2007年2月  西原理恵子(漫画家)
 5  2007年12月 村上知彦(まんが評論家/神戸松陰女子学園大学講師)
 6  2008年8月  山田五郎(評論家)
 7  2009年3月  丸山正雄(㈱マッドハウス取締役)
 8  2009年7月  長崎尚志漫画原作者/編集者)
   2004-2009年/マンガ8冊/小学館/連載:ビッグコミックオリジナル/ネット中古
   <★★★★>
 
漫画読んでました。
各巻にあとがきがあって、それぞれ書いているのは別の方々。
なぜ“鉄腕アトム「地上最大のロボット」”が選ばれたのか、鉄腕アトムや手塚の
抱かえていた元の問題、「プルートゥ」という作品の経緯などいろいろなことが書
いてあるが、中でも解題としてよくわかったのが、これは浦沢直樹手塚治虫
だと説き起こす「5」の村上氏のもの。
手塚自身が鉄腕アトムを失敗というか駄作と言うか、まあそういう表現をしたこと
があるのは、ずいぶん昔に読んだような気がするが、そのへんは・・・この解題と
もども、置いておきましょう。
  (一言だけ書くとすれば、原作者手塚の自作に対する批判から、浦沢は 
   むしろ救い上げようとしているかのようだ、という感じ。)
いしいひさいち’や‘黒鉄ヒロシ’のようなギャグ漫画を除くと、こういう(劇画とい
うのかな)漫画を読むのは、めちゃくちゃ久しぶり。たまたまセットでも安いんだな
あと思ったもので、手に入れてみた。(新聞で推薦風紹介を見たから)
手塚治虫は勤め始めてからぱらぱら読み集め始め、10年ぐらいは手塚のみ溜め
こんでいたので、そこそこの冊数がまだ残ってます。いろいろ不完全ですけどね、
途中でばったりとやめちゃった。でも処分はしなかったからまだあるんですよ。
300冊ぐらいはあるんじゃないかと思いますが、数はよくわからない。
で、その中に実はアトムはない。一冊も読まなかった。
どうも、ガキの頃にTVから時々目に入ってきた2種類の実写版ドラマとアニメー
ションがあまりに幼稚で(アニメのほうがまだましだった)、この印象が強かった
からじゃないかな。
さあて、SFではあるけれど、重たいドラマになってましたねえ。
火の鳥」の宇宙編だったか未来編だったかで印象に強い‘ロビタ’のイメージの
ものが出てきて、あとは人間とロボットの共存の道みたいなものを模索するのが
大きな主題のひとつとしてあり続け、どんどん厄介なものになって行く。人間の試
され方も尋常じゃない。
人間性」などというわけのわからんものも含めて、色々な要素を見せつつも、だ
いぶ先のこととはいえ人類がかなりの確率で迎えることになるであろう難題に、
正面から挑んだ形のお話。大義がなかったと言われるイラク戦争なんかは、モロ
わかりのネタとして、でもうまいこと使われてます。
(ISという未曾有の厄介な集団のことは、この先、マンガのネタになるもんでしょ
うかねぇ。)