休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ルトスワフスキ:管弦楽曲集 6

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20150212(了)
ルトスワフスキ管弦楽曲集 6
  Witold Lutosławski(1913-1994);Orchestral Works Vol.6
(1)交響曲 第1番     (25:18) 1941-47
  ①5:31 ②9:52 ③4:33 ④5:22
(2)シロンクスの3章    (9:40)  1951
  ⑤3:03 ⑥3:29 ⑦3:08   (詞:Traditional)
(3)ヴェネツィアの遊び  (13:17) 1960-61
  ⑧PartⅠ 3:07 ⑨PartⅡ 1:59 ⑩PartⅢ 3:14 ⑪PartⅣ 4:57
(4)歌の花と歌のお話   (20:22) 1989-90 (詞:Robert Desnos)
  ⑫The Marvel of Peru
  ⑬The Grasshopper
  ⑭The Speedwell
  ⑮The Wild Rose,the Hawthorn and the Wisteria
  ⑯The Tortoise
  ⑰The Rose 
  ⑱The Alligator
  ⑲The Angelica
  ⑳The Butterfly
(5)Postludium Ⅰ  ㉑(4:01) 3つの後奏曲から 1958-60
  アントニ・ヴィト指揮/ポーランド国立放送交響楽団
  オルガ・パシェチニク(ソプラノ)(2)&(4)
  録音:1996-1997年、ポーランド、カトヴィツェ、ポーランド国立放送コンサートホール
  1999年/CD/現代音楽/管弦楽&歌曲/NAXOS/輸入/中古
  <★★★★>
(惹句) ナクソスルトスワフスキ管弦楽曲集は正にスグレモノです。
1.曲が凄い。調性が無い現代音楽だけはご勘弁という貴方でも、何か感じる不思
議な魅力。当盤の収録曲は、初期の交響曲第1番(冒頭一発カマします、音量注
意)から晩年の「歌の花と歌のお話」(各曲の題名が興味をそそリます。歌手の透
明な声にも注目)まで作曲年代が半世紀に及びますが、常に新しい工夫がありま
す。
2.演奏が凄い。作曲者自作自演盤もある中で、作曲者の国の演奏家達の熱演も
負けず劣らずの出来ばえ、聴き逃せません。
3.嬉しいナクソス価格。これがこのお値段で楽しめるとは!
上記は帯の紹介文と同じだろうが、なにやら古くさい。第6集に至っていて、この
感じだもの。当初はあまり売れなかったのかも。
(1)この1番の交響曲、気張ってるなあ。(もう2番から4番まで、忘れてしまった)
戦争の影響を感じなくてどうするというわけだけれども、こだわる必要はない!と
いう言い方もできるのかな。戦争自体より、それによる精神状況や心象、あるい
はそれにまつわる諧謔などというほうが近いみたい。
第2楽章の抑えた調子、第3楽章の暗いひょうきん~諧謔。そして④の激しいた
たみかけ。もっとも、難解さは感じない。
(2)歌詞は伝承とあって、どんな内容なのかわからない。曲調のバランスからは
3つでひとまとまりという構成のよう。寂しげ、あるいは涼やかでここちよい。2曲
目の余韻がすごくいい。バックのオケは交響曲とは打って変わって繊細至極。
(3)いわゆるセリーなんでしょうね。少々耳障りな小太鼓が引き金になって、木
管や弦がわーっと騒いだり、ひそひそ話になったり。タイトルのイメージはつか
めない。今や懐かしさすら感じられる「いかにも現代音楽らしい」ものとでも言い
ますか。いや実はこのたいしてうるさくない混沌、好きなんです。ジャズ、かな。
(4)フランスの詩人の歌詞など同じくまったくわからないが、友人の子供たちの
ために書かれたようで、ならば歌詞はそこそこかわいらしいものなのだろう。たく
さんの打楽器を含んだオケのサウンドは(2)以上に繊細で美しい。これひょっと
してかなりの名曲扱いかも。それから、よくわからないが、このソプラノは優れた
歌手なんじゃないか。
最後の⑳のおしまいで、一瞬オルガンみたいな音がしたが、ありゃなんだ?
(5)打楽器、主にティンパニ、とともにいきなり非常事態が起きたかのごとく始ま
る。ぐっと掴まれるが、なんとすぐに終わってしまう。あと2曲あって、それらも一
緒に聴いた方がよくありませんか。(シリーズ7にちゃんと3曲入っている。)
残響が短い。非常に引き締まった演奏に聞こえた。
音楽上の知識も語彙も文才も乏しいから、書けることとてこの程度で、楽しく聴
けたかどうかだけでいいようなもんです。現代音楽になればなるほど、どう書い
ていいんだかわからない。たとえば、インテリっぽさが嫌味でなく楽しめる感じ
とでもいうのかなあ。激しさも暗さも、雄弁で非常に強烈なのに度は越さない。
オフクロがいるようなところでは聴けないわけですが、それでも手に入れたCDは、
よっぽど腹でも立てない限り、何度も聴くのが習慣。寝る前の読書中と車の中
が中心。ランダムに手に入れ、だからもちろん気軽に聴いてます。
なかなかメモが取れないとか書きにくいとかいうことは、当然たびたび起きる。
強迫観念に責め立てられたりしないようにはしています。
脱線しました。
このCDは何回か聴くうちに馴染んだものの、そこそこ難物だったかも。
このCDはシリーズ6集目。前の5枚なんぞ忘れていまして(ボケの兆候なのか
どうかも気にすべきなんだろうな・・・いや、本気なんですよ!)聴いてみようかど
うしようか悩みそう。それは、今回だって楽しんだからこそです。特に歌ものがま
ったく抵抗感なしに聴けたのがワタシにはかなりの収穫。