休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

オルボーン/交響的舞曲集 他

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20150205(了)
オルボーン/交響的舞曲集 他
Jurián ORBÓN(1925-1991): Symphonic Dances
(1)交響的舞曲集(1956)
  ①序曲  3:17     ②グレゴリオ聖歌風に  2:58
  ③演説風に 5:09 ④終わりの踊り 4:06
(2)合奏協奏曲(弦楽四重奏管弦楽のための)(1958)
  ⑤Moderato 9:10 ⑥Lento 9:05 ⑦Allegro 9:56
(3)3つのシンフォニック・ヴァージョン(1953)
  ⑧パヴァーヌ 10:06 ⑨オルガヌム 9:27 ⑩シロフォン 3:02
  マクシミアーノ・ヴァルデス指揮/アストリウス交響楽団
  録音:1998年、スペイン、アビーレス市立文化会館 Tot.66:17
  2004年/CD/管弦楽/NAXOS 8.557368/輸入/中古
  <★★★☆>
こんな作曲家、知ってました?
(帯紹介文) スペイン北部で生まれ、幼くして母を亡くし、15歳で父と共にキュー
バに移住、最後はニューヨークに定住したオルボーン。最後までスペイン国籍で
通した彼の母国への愛着はひとしおで、中世からファリャまでのスペイン音楽に
精通、その伝統と中南米文化を融合させて、こんなに愉しい音楽を残してくれま
した。最も有名な「3つのシンフォニック・ヴァージョン」は、まあ聴いてみてくださ
いとしか言えません。アフリカはコンゴ風リズムまで使った終曲など、思わず踊
っちゃいます。ヴィラ=ロボスが初演した「交響的舞曲集」もラテン的色彩の濃
い音楽。一方で「合奏協奏曲」の第2楽章など、集中力の強さで感銘を与えて
くれます。
全体的に明るく「晴れがましい」雰囲気が多いですね。(2)などは何かの式典の
開幕をまさに待っているみたいな。もちろんそれだけじゃないですけど。暗いとこ
ろはほぼなし。創意工夫はこの曲が一番か。
それから、サウンドやリズムが、スペインも濃く感じるものの、少し年上のコープ
ランド(1900-1990)の楽曲によく似たところが多いこと。
コープランドがスペインから多くを学んだとは、知らないだけかもしれないが、寡
聞にして聞いたことがないので、ということはキューバやその近辺、中南米から
オルボーンが影響を受けたものと似通ったものをコープランドも得ていたので、
似通うということでしょ?
コープランドを聴いてアメリカ的と感じるイメージのものは、つまりカリブや中南米
のものが多く含まれているということなんですかね。もちろんカリブや中南米にス
ぺイン色が濃く入っていないわけがないですけど。
ニューヨークに定住したとあるから、コープランドとの接点もあったんだろうか。
オーケストレーションは非常にうまくて、キラキラ感がとても魅力的だと思う。コー
プランドほどの派手さはないけれど。ソフィスティケイトされ、細かい色彩的ニュア
ンスに優れ、柔らかさや神々しさ、ルネサンスバロックの風味さえもある。その
辺はヨーロッパからの持ち込みでしょうね、当然。
(3)の⑧はパヴァーヌのタイトルに似合わず、ワタシにはメキシコ! ほとんど「荒
野の7人」の世界。
ピアノがときたま聞こえてハッとするも、雰囲気ががらっと変わることもない。
⑩のコンゴ風リズムというのは、よくわからなかった。むしろヒナステラの曲にそ
っくりなものがあったような記憶がある。この(3)が最も‘現代的’なところが聞こ
えた気がする。
どの曲もそうなんだ、全体的な印象として、なんと言うか、構成の上でややもた
もたした感じがあったかなぁ。
それと録音はいいと思うんだけど、演奏としてはちょっとだけシャキッとしきれな
い印象がある。これはリズムのキレ不足を感じたため。
とか書きつつ、このCD、★数以上に美味しくいただきました。
前記ヘンツェとなんと目指すものの違う音楽!