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こんな作曲家、知ってました? |
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(帯紹介文) スペイン北部で生まれ、幼くして母を亡くし、15歳で父と共にキュー |
バに移住、最後はニューヨークに定住したオルボーン。最後までスペイン国籍で |
通した彼の母国への愛着はひとしおで、中世からファリャまでのスペイン音楽に |
精通、その伝統と中南米文化を融合させて、こんなに愉しい音楽を残してくれま |
した。最も有名な「3つのシンフォニック・ヴァージョン」は、まあ聴いてみてくださ |
いとしか言えません。アフリカはコンゴ風リズムまで使った終曲など、思わず踊 |
っちゃいます。ヴィラ=ロボスが初演した「交響的舞曲集」もラテン的色彩の濃 |
い音楽。一方で「合奏協奏曲」の第2楽章など、集中力の強さで感銘を与えて |
くれます。 |
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全体的に明るく「晴れがましい」雰囲気が多いですね。(2)などは何かの式典の |
開幕をまさに待っているみたいな。もちろんそれだけじゃないですけど。暗いとこ |
ろはほぼなし。創意工夫はこの曲が一番か。 |
それから、サウンドやリズムが、スペインも濃く感じるものの、少し年上のコープ |
ランド(1900-1990)の楽曲によく似たところが多いこと。 |
コープランドがスペインから多くを学んだとは、知らないだけかもしれないが、寡 |
聞にして聞いたことがないので、ということはキューバやその近辺、中南米から |
オルボーンが影響を受けたものと似通ったものをコープランドも得ていたので、 |
似通うということでしょ? |
コープランドを聴いてアメリカ的と感じるイメージのものは、つまりカリブや中南米 |
のものが多く含まれているということなんですかね。もちろんカリブや中南米にス |
ぺイン色が濃く入っていないわけがないですけど。 |
ニューヨークに定住したとあるから、コープランドとの接点もあったんだろうか。 |
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オーケストレーションは非常にうまくて、キラキラ感がとても魅力的だと思う。コー |
プランドほどの派手さはないけれど。ソフィスティケイトされ、細かい色彩的ニュア |
ンスに優れ、柔らかさや神々しさ、ルネサンスやバロックの風味さえもある。その |
辺はヨーロッパからの持ち込みでしょうね、当然。 |
(3)の⑧はパヴァーヌのタイトルに似合わず、ワタシにはメキシコ! ほとんど「荒 |
野の7人」の世界。 |
ピアノがときたま聞こえてハッとするも、雰囲気ががらっと変わることもない。 |
⑩のコンゴ風リズムというのは、よくわからなかった。むしろヒナステラの曲にそ |
っくりなものがあったような記憶がある。この(3)が最も‘現代的’なところが聞こ |
えた気がする。 |
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どの曲もそうなんだ、全体的な印象として、なんと言うか、構成の上でややもた |
もたした感じがあったかなぁ。 |
それと録音はいいと思うんだけど、演奏としてはちょっとだけシャキッとしきれな |
い印象がある。これはリズムのキレ不足を感じたため。 |
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とか書きつつ、このCD、★数以上に美味しくいただきました。 |
前記ヘンツェとなんと目指すものの違う音楽! |
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