休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ロースソーン/弦楽のための協奏曲 他

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20150126(了)
ロースソーン/弦楽のための協奏曲 他
Alan RAWSTHORNE(1905-1971):Concerto for String Orchestra
 
(1)弦楽のための協奏曲(1949)
  ①7:08 ②7:41 ③6:38
 
(2)フルート、ホルンと弦楽のための田園風コンチェルタンテ(1951) 
  ④10:01 (世界初録音)
 
(3)弦楽のための軽音楽(カタロニア歌曲による) (1938)
  ⑤3:58
 
(4)リコーダーと弦楽オーケストラのための組曲(1950)
  (ジョン・マッケイブによるオーケストラ編曲)(世界初録音)
  ⑥1:29 ⑦2:28 ⑧1:27 ⑨1:09
 
(5)弦楽オーケストラのための哀歌風狂詩曲(1964)
  ⑩10:14 (世界初録音)
 
(6)室内管弦楽のためのディヴェルティメント(1962)
  ⑪Rondo 5:09 ⑫Lullaby 2:41 ⑬Jig 3:33
 
  デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ指揮/ノーザン室内管弦楽団/
  ジョン・ターナー(リコーダー)/コンラッド・マーシャル(フルート)/
  レベッカ・ゴールドバーグ(ホルン)
  録音;1996年9月、英国、ボールトン、ヴィクトリア・ホール Tot.63:36
  1999年7月/CD/管弦楽/NAXOS/輸入/中古
 
  <★★★★>
 
(帯紹介文) 弦楽合奏のメッカ=イギリスから、またまた素敵な一枚が登場! 
弦楽合奏の命、コクのある音色でシックに繰り広げられる、美しくもはかない歌
の魅力が全開です。もし弦楽器のみの純粋な響きの世界に身を委ねたいなら
ば、「哀歌風狂詩曲」がオススメでしょう。胸を締め付けられるような最弱音から、
身を裂かれるような激しい切り込みまで、表題がぴったりの様々な表情が交錯
する感動的な音楽です。また、若干の管楽器を加えた作品も魅力的で、「田園
風コンチェルタンテ」での弦・管2群が見せる対比と調和のバランス感覚の見事
さは驚異的とすらいえましょう。
 
(1)なかなか厳しい雰囲気のもので、第二楽章などショスタコーヴィチを思い起
こさせなくもない。この方の‘暗さ’はなんというか筋金入りの感じ。
 
(2)イギリスの弦楽合奏といったら、(1)よりこっちの雰囲気でしょう。そこにフル
ートとホルンが加わっているものの。おしまいの低い音域のフルートはめずらし
いように思う。
 
(3)カタロニアと言われてもピンとこない気がしたが、このメロディーに、デ・ロス
アンヘレスの声を乗せて想像してみると、うん、そうかな、なんてね。後半はほ
とんど踊り。
(1)(2)(3)と順に明るさが増してきた。
 
(4)リコーダーというのが面白い。ジョン・マッケイブという作曲家・ピアニスト・
指揮者がオケ用に編曲はしているものの、やっぱりリコーダーが出て来ると、
ちょっと不思議な感覚。もちろんメロディアスなんだけれど、素朴で翳り気味な
ニュアンスがたいそう魅力的。さらっと駆け抜ける。
NAXOSに、20世紀英国のリコーダーと小オケ用の曲を集めたアルバムがあっ
て、それは‘ほしいものリスト’に入れてある。そっちも聴いてみたくなる。
 
(5)これは少々ぶった(1)以上に鋭いつっこみが感じられる音楽。バルトーク
所謂「弦チェレ」にも通じる緊張感や抑え込んだ感情がある。そしてエレジー
いう意味が包含する甘味。
 
(6)管楽器もふんだんに入って来て、表現の幅がわっと広がるね。すばらしい
(5)に続いていて、その違いの妙も利いている。
管楽器のアンサンブルの音色にはほれぼれ(⑪)。ほの暗いまま進んで、おし
まいだけキュッと明るくはじけて終わるのもGood!
⑫も管のアンサンブルが素晴らしく美しい。おしまいの⑬はビジーで楽しい。
 
ロイド=ジョーンズさんの指揮はいつもの若干ユルフン気味なところがない。そ
れは、この室内オケがしっかりしているからかもしれない。表現意欲がしっかり
表れたいい演奏だったんじゃないかと思う。もちろん曲がよかったんだけれど。