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まずタイトルに惹かれました。 |
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(裏表紙) 日本語を愛するアメリカ人、アーサー氏。その多言語的な視点で眺め |
れば、世界の新鮮な姿が浮かび上がる。 賢治の「雨ニモマケズ」の元ネタを発 |
見!? “アメリカン”なラーメンの正体とは。一番好きな日本語はあのセリフ。詩の |
みならず、短歌や能、落語などに深く精通し、母国の暴走と日本の迷走を心配 |
する・・・。溢れだす知識とピリ辛のユーモアが好奇心を刺激する、贅沢なエッセ |
イ集。 |
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短いエッセイのみで構成されている本。雑誌のコラムの集積だろう。 |
詩人だそうだが、どんな詩を書かれるんだろう・・・ ま、詩はワタシ読まないけど |
ね。とにかくさすが詩人、言葉に関するネタが非常に多く、その扱いが優しくて、 |
上手! しかも切り口は鋭い。グサッと来るところもあるにはあるが、その表現が |
大人! |
そして日本の理解が半端じゃない。その例とも言えそうなもの・・・ |
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「日本の食べ物に慣れましたか」と今でもたまに聞かれる。慣れるもなにも、 |
ぼくは最初からすべてがOKだった。むしろ、どうやって二十二歳になるまで |
豆腐と納豆と梅干なしで生きていたのか、不思議なくらいだ・・・ |
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一篇ごとが短いので、始めは掘り下げが足りない気もしたけれど、しばらく読み |
進めると、これはこれで良しという感じになった。 よく推敲されているのだろう。 |
日本語がまたどうしてこんなに?というほど、めちゃめちゃうまいのである。 |
そして話がいろんな方向へ思いもかけないような転がり方をする。 |
もち! 転がり具合を楽しむ。 |
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少々やばい話題も、ここまで理解が進んでりゃ、こっちは拝聴するのみ。 |
謡いを実際に習っていたりする。 |
文化の摩擦という扱いではなく、間に立って異文化同士の観察のしあいをすると |
いった、ゆとりのあるスタンスを守り通している。難しいことなんだろうに、巧まず |
して、という感じがまたよろしい。 |
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言葉ネタの大好きなワタクシメには、安心して楽しめる上質エッセイでした。 |
この「安心」、そん所そこらにはない、稀有なんだということはわかっているんで |
す。その稀有はありえないほどの理想。 |
ま、ワタシの段階では読んで「楽しむ」しかない。むずかしいグローバル化が本当 |
に必須になる未来の人たちは、せいぜい苦労してくださいな。
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