休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

柳 広司/小説『ジョーカー・ゲーム』

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20150120(了)
柳 広司/小説『ジョーカー・ゲーム
 ・ジョーカー・ゲーム
 ・幽  霊 ゴースト
 ・ロビンソン
 ・魔 
 ・Ⅹ Ⅹ ダブル・クロス 
  2008年8月/短編小説集(スパイ・ミステリー系)/角川書店(単行本)/中古
  <★★★☆>
WIKIから) 昭和12年秋、陸軍中枢部の多数の反対意見を押しのけて、結城中
佐の提案で設立されたスパイ養成学校“D機関”。元スパイという経歴を持つ結
城の下、互いの本名も知らぬまま、スパイに求められる様々な訓練を受けた訓
練生たちは、優秀なスパイへと成長し、次々と世界中で活動していく。
2008年の「このミス」で2位になったからだけでなく、人気が持続しているよう。
漫画化だけでなく今度は映画化もされるらしい。(もうできたのかな)
続編も2冊書かれている。
映画はきっと、この組織の説明に当たる第一話「ジョーカー・ゲーム」を膨らませ
て作られているんじゃないか。(知りませんが。)
スパイって、どういうものなんだろうと思ったが、なるほどねえ、こういう話が可能
なんだ。
大仰でマンガ/劇画っぽい。実存主義的でドライな機関や構成員が、いわば湿っ
ぽく視野狭窄の軍部の中でポツンと存在することによって発生してしまう邪推や
蔑み、その他軋轢の中で、教育を施されたスパイ(セクション)として見事に機能
する姿が描かれる。そしてその結果が、どこかで評価されているのか否かもよく
わからない。いわば読者の判断に任されるような終わり方をする。
日本ではちょっと見かけないタイプの面白さに充ちているのではないか。だから
こそ「このミス」の2位になったり、そのほか種々の賞を獲ったのだろう。
言ってみると、アメリカの一話ごとにけりがつくテレビドラマを観ているような感覚
に近いかもしれない。
5篇、ほとんど一気読み。