休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

フレイタス・ブランコ: 管弦楽作品集 第3集

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20150104(了)
フレイタス・ブランコ: 管弦楽作品集 第3集
Luis de FREITAS BRANCO(1890-1955)
(1)交響曲 第3番(1944)
   ①18:21 ②10:50 ③6:38 ④10:31
(2)マンフレッドの死(1906、初録音) ⑤9:55
(3)アレンテジャーナ組曲 第2番(1927)
   ⑥6:41 ⑦2:40 ⑧6:38
  アルヴァロ・カッスート指揮/アイルランド国立交響楽団
  録音:2009年4月、アイルランド、ダブリン、ナショナル・コンサート・ホール Tot.72:13
  <★★★☆>
 
(帯) 20世紀のポルトガルにおいて、最も重要な作曲家の一人フレイタス・ブラン
コ。彼はとても若い時期に作曲を始めましたが、高度かつ精巧な作曲技法を身に
付けるためにベルリンで学び、その後パリで過ごしたせいか、最初の交響曲が完
成した時は既に34歳になっていました。この第3番の交響曲は1930年から1944
年に渡って書かれたもので、冒頭の雰囲気はまるでブルックナーを思わせる荘厳
雄大な仕上がりになっています。第2楽章は簡素な形式の上を極めて滋味深い
音楽が流れていきます。対する第3楽章は少し暴力的。胸をかきむしるかのような
弦の響きは唐突に断ち切られ、荒々しい音に飲みこまれてしまうかのようです。
そして快活な終楽章は目が覚めるような鮮やかさです。初期の作品、「マンフレッ
ドの死」は若干習作の域を出ないようですが、16歳の作品としては上々でしょう。
とても親しみやすいアレンテジャーナ組曲 第2番が気に入った方は、第1集(8.57
0765)で第1番をお聴きください。もちろん第2集(8.572059)もオススメです。
(1)SYM.3 : 正直な所、これと言ったはっきりした特色というか、インパクトはそん
なに強くなかった。
①帯文にもある通り、ブルックナーを感じさせる。ユーフォニウムなんて金管がぞろ
っと並んで響く音じゃない。むしろ繊細でふんわり柔らかいし、規模感も乏しいのに
ブルックナーっぽいものが聞こえるのがかえって面白い。
②神々しさには向かわず、清楚なレント。少々さびしげな表情もあり、これが魅力。
③調子っぱずれな悲鳴ふうな和音がちょこちょこ挟まりつつ進行する、ゆっくり目の
アレグロ
④ラテンを感じさせるアレグロ・ヴィヴァーチェ。ここらまで来るとブルックナーを思わ
せるものは全くなくて、これがフレイタス・ブランコなんだろうか。
たたみかけるような終楽章ではなく、②のようなさびしげな表情の余韻をここらあ
たりにまでも引きずっているみたい。おしまいだけ、またブルックナー調に戻って、
(循環形式というならフランク?)わりと豪快に締めくくる。
というわけで、全体に軽くてね、さす陽射しが違うよ、という感じかな。
ずいぶん前に聴いた2番の交響曲の帯文には、「グレゴリオ聖歌ブルックナー
スケルツォ、フランク、ドビュッシーなど様々な音楽から影響を受けているようで、
異なった要素を絶妙に組み合わせた噛みごたえのある作品」 とあって、この3番
だっていろんな要素が入り込んでいるのかもしれないが、ワタシにゃわからない。
わからないけれど、「あれ?あれは・・・」と思える音色が目白押し。
ただ、2番に戻ってみれば(どうせだものと聴いてみた)、フランクもドビュッシー
よくわからなかったが、メンデルスゾーンシューマン、特にメンデルスゾーンがい
るように思ったなあ。ベルリンで学んだからだろうか。
(2)は軽味があり美しいものの、とても16歳で書けるものとは思えない。この感傷
や慟哭みたいな感じのところなど、魅力たっぷり。
(3)がまた問題。
⑥これがポルトガルなのかなあと思わせる抒情。オーボエ・ソロなど大変美しい。
インテルメッツォ、牧歌風な軽やかな楽章。
⑧北欧ものにありがちな感じの、元気のいい踊りふうなフィナーレ。
長々書いてますが、要するに、なにやら捉えどころがないんだ、この作曲家。
時代錯誤っぽいし、、、決してすごいという感じではないんですよ、偉そうに書くけ
ど。でも時々聴きたくなる。不思議。ポルトガルっぽさでまとまっているんだと考え
りゃいいと思うことにしましょうや。
ちなみに多くヘッドフォンで聴いてましたが、車の中でわんわん鳴らしたら(って危
険ですがね)、曲に一本筋が通った感じになって、ここまでの文章、あちこち書き
直したくなった。まぁいいや、でメモストップ。(スミマセン)