休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

百田尚樹/小説『海賊とよばれた男』

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20150105(了)
百田尚樹/小説『海賊とよばれた男』 上・下
    序章
    第一章 朱夏(昭和二十年~昭和二十二年)
    第二章 青春(明治十八年~昭和二十年)
    第三章 白秋(昭和二十二年~昭和二十八年)
    第四章 玄冬(昭和二十八年~昭和四十九年)
    終章
         主要参考文献一覧
    2012年/小説/単行本2冊/講談社/借りたもの
   <★★★★△>
職場のKさんが貸してくれたもの。
百田尚樹は初めてです。小説なんだからオリジナルなんだろうと思ったら、ドキ
ュメンタリーというか、実際にあった話をノヴェライズしたもの。(書き下ろし)
石油業界の大立者の伝記だったんだ。
本屋大賞’に選ばれているだけのことはあって、読ませること読ませること!
大変なハイテンションでもってぐいぐい引っ張り、ほとんどだれないのがすごい。
なるほどの大賞。
吉村昭さんの作品2作しか読んだことないけど、文章似ている気がした。
というか、著者の対象や文献に対するスタンスから、実録ものはこうなるんだ
ろうね。
武士の精神を持った商人鐡造さんの絶対に奢らないリーダーシップとなんとい
う不屈!!! その薫陶を得た部下たちの信じられない働き。心酔し、援助をしてくれ
た僅かばかりの人々。石油と第二次世界大戦の関係のわかりよさ。石油業界
のなんという裏表。
大真面目に「国」というものも慮っていらっしゃったわけだけれど、これ、視点を
‘対抗勢力’に変えたら、「国」を慮るといっても、全く逆の話になってしまった
んだろうなあ。
Kさんによると、知り合いに、これを読んで出光のガソリンしか使わなくなった
かたがいらっしゃるんだってさ。
ホンマかもしれない。
資料と百田氏の想像力/文章力の賜物ではあるのだけれど、いやはや、まっ
たくもって大変な御仁もいたもんだ。