休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

奥田英朗/『ナオミとカナコ』

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20141216(了)
奥田英朗/小説『ナオミとカナコ』
  2014年11月/小説/幻冬舎(単行本)/知人に借りて
  <★★★★△>
 
なんと新刊!
職場のKさんが貸してくれたもの。
 
帯は写真の通り。新聞広告は、、、
  望まない職場で憂鬱な日々をおくるOLの直美。
  夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。
  三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が
  練り上げた〈殺人〉完全犯罪プランの行方は――?
  すべては、泥沼の日常を抜け出して、人生を取り戻すため。
  わたしたちは、絶対に捕まらない。
  「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
まあほかにもあって、推薦者たちの文章もならんでいるが、ここまでばらして
いいのかな。それでも奥田英朗作品なんだからね、なかなかそそられるじゃ
ありませんか。
桐野夏生の「OUT」という壮絶な小説を途中でちょっと連想・・・
宮部みゆきの「火車」にも、もうかすかな記憶なんだけれど、似たようなにおい
がしていたような・・・
全ては帯にある「夫の酷い暴力」にかかっている。
そこへ友人OL、夫の家族、西池袋界隈の中国人、警察が絡む。
前半は主にそのOL直美の視点で、後半は主に加奈子の視点で描かれる。
のっけからページターナーやなあと思っていたら、後半は怒涛のハラドキ展開
だ。他の惹句に、読者も共犯に・・・云々ふうなのがあって、フムなるほど・・・。
“このミス”に間に合っていたら、20位以内には入って来たんじゃないかなあ。
“このミス”で扱うタイプではなく、たんなるエンタテインメントかもしれませんが、
毎日新聞(12/16の夕刊)ではこの作品をミステリーに入れて、今年のミステリ
ーを総括ていたから、ミステリーでいいんじゃない?
 
さて・・・この本返したら、Kさん、次のを貸してくれましてね。
「ゆっくりでええからね」って。当然です。
読む順番は[気分]で決めていて、押し付けられても困る。次はゆっくり読ませ
ていただきますぞ。