休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

池田清彦/他人と深く関わらずに生きるには

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20140818(了)
池田清彦/他人と深く関わらずに生きるには
Ⅰ 他人と深く関わらずに行きたい
    濃厚な付き合いはなるべくしない
    女(男)とどうつき合うか
    車もこないのに赤信号で待っている人はバカである
    病院にはなるべく行かない
    心を込めないで働く
    ボランティアはしない方がカッコいい
    他人を当てにしないで生きる
    おせっかいはなるべく焼かない
    退屈こそ人生最大の楽しみである 
    自力で生きて野垂れ死のう
Ⅱ 他人と深く関わらずに生きるためのシステム
    究極の不況対策
    国家は道具である
    構造改革とは何か
    文部科学省は必要ない
    働きたい人には職を
    原則平等と結果平等
    自己決定と情報公開
    個人情報の保護と差別
     文庫本あとがき
  2006年/エッセイ/新潮文庫/(単行本2002年)/中古
  <★★★☆>
読む前からわかっているようなものなんだが、読んですっきり、留飲を下げ
させていただいた。
快哉の意味で何度も笑ってしまった。
(以下は付けたし、水増し、です)
上記項目を見ただけじゃ伝わらないのが残念ですが、説明するのも面倒。
気分転換になった。
当然生物学的なものが分母として感じられる。
が、分母がそれだけでないから、読める。
一見茶化しているようなんですが、実際は先生にとっての真実(≒普遍)を
ずばりと言ってくださっている。
酒飲み話でもありそう。
教科書的に使ってほしい気もする(案外意味もあると思うが、文科省も親た
ちも認めまい) ものの、こんな風に物事がいくらかちゃんと見えてくること、
然るべく言葉を使えるようになること(≒茶化すことができること)、のために
は、頭のいい人以外はオッサン・オバハンになるまでたいてい待たなきゃな
らない。
池田先生、この新潮文庫にも『あたらしい生物学の教科書』などという‘らし
い’本も出しておられるので、こっちなんぞはいわば‘副読本’か‘裏教科書’
だね。
そして、ほぼ全面的に賛成のワタシは・・・ わかってよい年齢に到達して長
いが、なんとなくでもわかるようになるのが遅過ぎたようにも思う。
でもさ、せいせいした。
カミサンにもオフクロにも、この本(この酒飲み話)のことはまあ、絶対的に
話題にはできませんがね。
引用はパス。以下は、更にいたって勝手な思い・・・
  これを読むと、自分はマイノリティの気があると思っていたけれど、実の
  ところマイノリティなんかじゃ全然ない、ちょっと頭が悪いだけということ
  もよくわかる。ちったぁ残念だけど。アハハ。
  願わくば、ストレスを上手にいなしまくって、アミロイドβの害をほどほど
  に防ぎ、ある時をもって、アミロイドβに活躍してもらって一挙にボケさせ
  ていただくのがよろしい。(薬なんて間に合うまい。)
  その「ある時」ってのが難しいけれども。
  考えてみれば、自由気ままに生きられれば、ストレスは溜まりにくく、「あ
  る時」に遭うことも確率的に低いだろうから、“ボケる”と“野垂れ死ぬ”に
  は、いくばくかの共通点や密接な関係があるかもと読後一瞬思ったのは、
  間違いだろうなぁ。
  ストレスに直結する糸でもってガンジガラメというのが現実。
  だから、・・・空想する。
ただし、前半のⅠはよーくわかったが、後半Ⅱは、“そうする”ためにも「こっち
が賢くならなければ」という言い方が増えてしまい、実現のむずかしさが伝わ
り過ぎてしまった、かな。
(先生としては、この本の文庫化はちょっと意外だったのじゃないか。)