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(帯紹介文) アイアランドの唯一のピアノ協奏曲は、彼の有力な後援者で
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| あったヘレン・パーキンのための書かれたものです。1930年に作曲されそ |
| の年の10月2日にヘレンの手によって初演されています。 |
| その演奏会が大変成功を収めたため、以降多くのピアニストたち(クリフォ |
| ード・カーゾン、モーラ・リンパニー、アイリーン・ジョイス、ジーナ・バッカウ |
| アー、そしてアルトゥール・ルービンシュタインら錚々たる顔ぶれ)がこの曲 |
| を演奏し、「イギリス人による最高のピアノ協奏曲」とまで呼ばれました。 |
| その後、アイアランドは第2番の協奏曲の作曲を計画し、それは「伝説」と |
| 言う名前を付けられた単一楽章の作品として成就しました。こちらも同じく |
| パーキンに捧げられ、彼女は1934年にBBC交響楽団、エイドリアン・ボー |
| ルト指揮でこの曲を初演しました。 |
| 現在はすっかり忘れられてしまった作品ですが、この機会に再評価される |
| のではないでしょうか。 |
| 使い古された形容詞かもしれないけれど |
| 確かに英国の田園風景が見えてくる作品です |
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| オーケストレーションされたものはほとんど知らないので手に入れてみま |
| した。何か弦楽合奏ものでは聴いたことがあったはずですけど。 |
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| 協奏曲。 |
| なんというか、じつに主張の少ないオーケストレーションと言いますか。 |
| おっとりとして気品があり、ショパンのピアノ協奏曲ように面白みの全くな |
| いオケ・パートから言えば、はるかに魅力的なサウンドなのに、とにかく |
| 主張しない。騒がない。音がわーっと大きくなったのは一か所か二か所、 |
| それも一瞬だけだったんじゃないか。 |
| スタンフォードなどを通じてドイツ音楽からも学んだが、もっと影響が強 |
| かったのがフランスの印象派やロシア象徴主義だとのこと。なるほどな |
| るほど、神秘的なところねえ・・・などと、ワタシなんざエエカゲンで、す |
| ぐそんなもんかと思っちゃう。ともあれ、オーケストラの側からすれば、 |
| 想像するに、やっぱり弾いていて興奮とは縁のない曲でしょう。 |
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| ピアノのパートも、第一楽章ではころころ転がる早いパッセージもあるも |
| のの、これ見よがしなところはまるでない。もちろんぶっ叩くところもなく、 |
| 基本的にリリシズム。(ああこれが神秘的な部分か。)そして第二楽章 |
| の穏やかな美しさが、まさに本領という感じ。第三楽章は入りこそ快活 |
| で、きりっとしているが、中間部は本来のリリシズムにもどる。後半でよ |
| うやく堂々としたところもちょっと出て、あとは軽快に締めくくる。 |
| 時々ピアノ以外にもいろいろ現れてくるメロディーが、どうも歌っぽく聞 |
| こえ、そういう作曲家なんでしょうね。 |
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| コンチェルトにはならなかった④は、もっともっと規模感のあるものを計 |
| 画したのでしょうが、結局そうはならなくて、前記ピアノ協奏曲と似たよ |
| うなサウンドのものになっちゃった、という感じかな。 |
| エンディングは長々消え行くように。 |
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| あとはピアノ曲。 |
| リリシズム、オンリー。外連味ゼロ! |
| きわめて内気だったという風に書かれていて、良くも悪くも、その辺が反 |
| 映されているんでしょうか。 |
| ワタシには少し退屈。 |
| さいごの「3つの舞曲」は、内省的な感じがなく、フランス風に冴えてワタ |
| シ好み。ピアノ曲は他にもっと名曲があるんですよ、きっと。 |
| 去年の夏、チェロによるディーリアスとアイアランドの歌曲編曲集という |
| NAXOSのCDを聴いて大いに気に入ったんでした。ディーリアスよりアイ |
| アランドのほうがより素敵だとか、歌曲のアイアランドだとか書いてます。 |
| 今回のCD、それほどまでに魅力的というわけではなかったのが、ちょっ |
| と残念ですが、去年の夏、名古屋ではもう少し精神状態がよかったこと |
| もあるのかも・・・ なんてね。 |
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| クラシックはイギリスものばかり聴いていることになる。 |