休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アイアランド/ピアノ協奏曲 他

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20140802(了)
アイアランド/ピアノ協奏曲 他
John IRELAND(1879-1962)
  ピアノ協奏曲 変ホ長調(1930)
      ①9:09 ②7:36 ③8:05
  ④伝説(1933)
  ⑤第1狂詩曲 嬰へ短調(1906)
  ⑥牧歌(1896) (初録音)
  ⑦インディアンの夏(1932) (初録音)
  海の牧歌(1900)
     ⑧4:09 ⑨4:41 ⑩3:39
  3つの舞曲(1913)
     ⑪Gypsy 1:59 ⑫Country 3:27 ⑬Reapers 1:52
     ジョン・レナハン(ピアノ)
     ジョン・ウィルソン(指揮) ①-④
     ロイヤル・リヴァプールフィルハーモニー管弦楽団 ①-④
     録音:①-④;2011年2月、リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
         ⑤-⑦・⑪-⑬;2011年3月、⑧-⑩;2007年3月、
        英、西サセックス、ミュージック・アット・ルーム・チャンプス・ヒル
     2011年/CD/協奏曲・器楽曲/NAXOS/輸入/ネット
     <★★★☆>

 
(帯紹介文) アイアランドの唯一のピアノ協奏曲は、彼の有力な後援者で
あったヘレン・パーキンのための書かれたものです。1930年に作曲されそ
の年の10月2日にヘレンの手によって初演されています。
その演奏会が大変成功を収めたため、以降多くのピアニストたち(クリフォ
ード・カーゾン、モーラ・リンパニー、アイリーン・ジョイスジーナ・バッカウ
アー、そしてアルトゥール・ルービンシュタイン錚々たる顔ぶれ)がこの曲
を演奏し、「イギリス人による最高のピアノ協奏曲」とまで呼ばれました。
その後、アイアランドは第2番の協奏曲の作曲を計画し、それは「伝説」と
言う名前を付けられた単一楽章の作品として成就しました。こちらも同じく
パーキンに捧げられ、彼女は1934年にBBC交響楽団、エイドリアン・ボー
ルト指揮でこの曲を初演しました。
現在はすっかり忘れられてしまった作品ですが、この機会に再評価される
のではないでしょうか。
  使い古された形容詞かもしれないけれど
  確かに英国の田園風景が見えてくる作品です
オーケストレーションされたものはほとんど知らないので手に入れてみま
した。何か弦楽合奏ものでは聴いたことがあったはずですけど。
協奏曲。
なんというか、じつに主張の少ないオーケストレーションと言いますか。
おっとりとして気品があり、ショパンのピアノ協奏曲ように面白みの全くな
いオケ・パートから言えば、はるかに魅力的なサウンドなのに、とにかく
主張しない。騒がない。音がわーっと大きくなったのは一か所か二か所、
それも一瞬だけだったんじゃないか。
スタンフォードなどを通じてドイツ音楽からも学んだが、もっと影響が強
かったのがフランスの印象派やロシア象徴主義だとのこと。なるほどな
るほど、神秘的なところねえ・・・などと、ワタシなんざエエカゲンで、す
ぐそんなもんかと思っちゃう。ともあれ、オーケストラの側からすれば、
想像するに、やっぱり弾いていて興奮とは縁のない曲でしょう。
ピアノのパートも、第一楽章ではころころ転がる早いパッセージもあるも
のの、これ見よがしなところはまるでない。もちろんぶっ叩くところもなく、
基本的にリリシズム。(ああこれが神秘的な部分か。)そして第二楽章
の穏やかな美しさが、まさに本領という感じ。第三楽章は入りこそ快活
で、きりっとしているが、中間部は本来のリリシズムにもどる。後半でよ
うやく堂々としたところもちょっと出て、あとは軽快に締めくくる。
時々ピアノ以外にもいろいろ現れてくるメロディーが、どうも歌っぽく聞
こえ、そういう作曲家なんでしょうね。
コンチェルトにはならなかった④は、もっともっと規模感のあるものを計
画したのでしょうが、結局そうはならなくて、前記ピアノ協奏曲と似たよ
うなサウンドのものになっちゃった、という感じかな。
エンディングは長々消え行くように。
あとはピアノ曲
リリシズム、オンリー。外連味ゼロ!
きわめて内気だったという風に書かれていて、良くも悪くも、その辺が反
映されているんでしょうか。
ワタシには少し退屈。
さいごの「3つの舞曲」は、内省的な感じがなく、フランス風に冴えてワタ
シ好み。ピアノ曲は他にもっと名曲があるんですよ、きっと。
去年の夏、チェロによるディーリアスとアイアランドの歌曲編曲集という
NAXOSのCDを聴いて大いに気に入ったんでした。ディーリアスよりアイ
アランドのほうがより素敵だとか、歌曲のアイアランドだとか書いてます。
今回のCD、それほどまでに魅力的というわけではなかったのが、ちょっ
と残念ですが、去年の夏、名古屋ではもう少し精神状態がよかったこと
もあるのかも・・・ なんてね。
クラシックはイギリスものばかり聴いていることになる。