休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

失はれた地平線:ディミトリ・ティオムキン作品集

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20140719(了)
失はれた地平線:ディミトリ・ティオムキン作品集
   LOST HORIZON; 
THE CLASSIC FILM SCORES OF DIMITRI TIOMKIN
1. Lost Horizon (1937): Symphonic Suite 
   「失はれた地平線」 23:05
    フランク・キャプラ/ロナルド・コールマン、ジェイン・ワイアット
2. The Guns of Navarone(1961): Prelude 
   ナバロンの要塞 2:21
    J・リー・トンプソン/G・ペック、D・ニーヴン
3. The Big Sky(1952): Suite 
   「果てしなき蒼空」 8:08
    ハワード・ホークス/カーク・ダグラス
4. The Fourposter(1952): Overture (未公開)
    アーヴィング・G・ライス/レックス・ハリソン  2:33
5. Friendly Persuasion(1956): Love Scene in the Barn 
   友情ある説得 5:54
    W・ワイラー/G・クーパー
6. Search for Paradise(1957): Choral Finale
   「世界の楽園」 3:31
    オットー・ラング監督作(シネラマ/ドキュメンタリー)
  Composed by Dimitri Tiomkin
  Charles Gerhardt conducts the National Philharmonic Orchestra
  The John Alldis Choir(1)(6)
  録音:1975年、ロンドン、キングズウェイ・ホール
  Sony (RCA Red Seal) / 88697 77933 2
  2010年/CD/映画音楽/RCA/Sony/輸入/ネット購入
  <★★★★>
ティオムキンというと、ロシア系なんだけれど、どうも荒っぽい演奏のウ
ェスタンの音楽が多いという印象が強い。子供(ジャリ)の頃によく観たウ
ェスタンはその多くがティオムキンの音楽だった記憶なのね。でも実際
ウェスタンは全体からすれば一部だし、あれは演奏が荒っぽいだけ
で、スコア上はちゃんとした音楽だったりするんじゃないかなあ、などと
思っていた。
で、思った通り!
(1)いわゆる古き良きハリウッド映画の音楽の調子に加え、ロシアの土
俗的な曲調、同民謡調、バレエ音楽調、ラヴェルドビュッシーのような
印象派風な曲調などが混ざる。それと、これは当然この世の楽園の話
のはずだから、アジアの高山を思わせる感じの音楽も。
ねえ、やっぱりそう。ちゃんとしたスコアなんですよ。西部劇じゃないけ
ド。何とも雄弁なものでして、極論を言えば、映画なんぞ要らないくらい。
えー、「失われた・・・」じゃないんだ。
(2)たったの2分21秒はないでしょう。J・リー・トンプソンの超人気作な
んで、人気取り用のトラックみたいなものなのかも。この短さは残念。
(3)~(6)もそれぞれ力作ぞろいで、有名作が目白押しのティオムキン
の音楽はさておいて、その他の忘れ去られてはイケナイお仕事を選び
に選んで、このラインアップになったんでしょう。
(1)と(6)ではジョン・オールディス合唱団という一流の合唱を加えての
録音になっている。、その効果大きい。
収録時間が若干短いのが不満だけれど、いいもの聴かせてもらった。
  http://blogs.yahoo.co.jp/kikuy1113/61293834.html
上記は以前のブログのURLで、有名な『赤い河』をReconstructionして
録音し直したものを聴いて少々がっかり、ヒッチコック物を集めた中の
「見知らぬ乗客」がよかったから買ってみたのに、とか書いている。ある
いは『ローマ帝国の滅亡』は聴いてみたいとか。
当CD(このシリーズも)は多分譜面に起こし直したようなもんじゃなく、
もともとスコアがちゃんと残っているものを正しく録音したのだと思う。
ともあれいいものだった、と言いたいだけですけどね。
(附)ゴールドスミスのSF物を自身が選んで録音した選集を引っ張り出
  して、上記と同時期に聴いていたんですが、オーケストレーション
  録音も非常に素晴らしく、その時の鑑賞記(下記URL)では恥ずかし
  くも、まるで伝えきれていない。こちらは自分の文にも耳にもガッカリ。
    http://blogs.yahoo.co.jp/kikuy1113/40203260.html
  これに比べるとティオムキンのものは、さすがに時代を感じさせ、A・
  ニューマン、M・スタイナー、F・ワックスマンなど、一昔前の音色だと
  いうことは瞭然。でも★の数に変更を加える気はありません。どちら
  も魅力的なので。
 
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