休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『グロリア』

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20140619(了)

ジョン・カサヴェテス監督

/映画「グロリア」 GLORIA

 
   ジーナ・ローランズ/バック・ヘンリー/ジョン・アダムズ(少年)
   音楽:ビル・コンティ
 
   1980年/米映/DVD/レンタル/121分
 
   <★★★☆>
 
レンタル・DVDももったいなくて、しばらくやめていたけれど、なんとなく
借りてしまった。カミサン遠出だし・・・
 
TSU社の「少々古いが面白いぞ!」といったコーナーにたくさん並んで
いるのを眺めていて、もう忘れたけど、確か面白かったよなあと・・・
カサヴェテスの名作と言われるもの。
 
組織(マフィア)に殺された一家から、少年(+秘密のファイル)一人を
押し付けられた中年女グロリア。本人も組織と関係があって叩けばほ
こりが出る女で子供嫌いなのに、徐々にこの男の子を本気で守り始め
る。度胸はあるのだが、とにもかくにもニューヨークを必死の逃避行・・・
*第35回(1980年)ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞受賞
 
34年も前の映画だったんだ。(確か金沢で、ビデオで見たような記憶。
観てからもう30年ぐらいはたっているんだろう。)
先々を読んで確実に追いつめてくるマフィアが、今から見ると相当の
んびりしていて、まるで怖くないんだが、それでも掟は掟なんだからと、
割り切った仕事として確実に迫ってくるのが逆にリアルでもある。
全体のスピードも、そういう感じに準じていてちょっと珍しい感覚やった
ね。今なら‘とろい’とじれる人が多いかも。
カサヴェテス夫人だったローランズは、記憶ではもっと老けていて、も
っとドスが利き、頭もよかったと思ったが、多分こっちが老けたからだろ
う、バアサンじゃなくて、色香もいささかだけれどまだ残っている堂々た
るオバハン。堂々たると書いてしまったのは、体が大きく押し出しがあ
ることだけでなく、銃を構えたりぶっ放したりする格好やデカイ態度が
けっこう堂に入っていたから。実際はかなりびくついていて、しまいに
はケツをまくる。そのまくり方が唖然とさせるものだった。
ちょっとつじつまが合わない気がしたところがあるけれど、2時間、ほ
とんど初めてであるかのように、だれずに観てしまった。
映画芸術の雄のものとか神格化された方のもの、文学系、などは
〔誰とか何とかは差障ってしまいそうで挙げませんが〕 どういうものか
観る気にならないですね。どうしてもエンタテインメント系に興味が向
かう。)
 
そうそう、ベッソンの「レオン」がこの映画からかなりいただいているん
じゃないかという指摘があった。確かにねえ。
 
コンティの音楽は弦のオブリガート付のジャズで結構鳴らしていたの
と、ギターを使った部分が多くて、そこではスペインやメキシコ音楽を
思わせ、ロドリーゴの「アランフエズ」のメロディに似たものも出てきた。
全体的には音楽のウエイトが高くて下品スレスレ、あんまり冴えた感
じじゃないものの、悪い印象でもなかったかなぁ。ギター系は殺された
一家や少年がスペイン系であることからなんだろう。