休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

池谷裕二/「脳には妙なクセがある」

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20140520(了)
池谷裕二/「脳には妙なクセがある」
1、脳は妙に IQに左右される
     脳が大きい人は頭がいい!?
2、脳は妙に 自分が好き
     他人の不幸は蜜の味
3、脳は妙に 信用する
     脳はどのように「信頼度」を判定するのか?
4、脳は妙に 運まかせ
     「今日はツイテる!」は思い込みではなかった!
5、脳は妙に 知ったかぶる
     「○○しておけばよかった」という「後知恵バイアス」とは?
6、脳は妙に ブランドにこだわる
     オーラ、ムード、カリスマ……見えざる力に動いてしまう理由
7、脳は妙に 自己満足する
     「行きつけの店」しか通わない理由
8、脳は妙に 恋し愛する
     「愛の力」で脳の反応もモチベーションも上がる!?
9、脳は妙に ゲームにはまる
     ヒトはとりわけ「映像的説明」に弱い生き物である
10、脳は妙に 人目を気にする
     なぜか自己犠牲的な行動を取るようにプログラムされている
11、脳は妙に 笑顔を作る
     「まずは形から」で幸福になれる!?
12、脳は妙に フェロモンに惹かれる
     汗で「不安」も「性的メッセージ」も伝わる!?
13、脳は妙に 勉強法にこだわる
     「入力」よりも「出力」を重視!
14、脳は妙に 赤色に魅了される
     相手をひるませ、優位に立つセコい色?
15、脳は妙に 聞き分けがよい
     音楽と空間能力の意外な関係
16、脳は妙に 幸せになる
     歳をとると、より幸せを感じるようになる!
17、脳は妙に 酒が好き 
     「嗜好癖」は本人のあずかり知らぬところで形成されている
18、脳は妙に 食にこだわる
     脳によい食べ物は何か?
19、脳は妙に 議論好き
     「気合い」や「根性」は古くさい大和魂
20、脳は妙に おしゃべり
     「メタファー(喩え表現)」が会話の主導権を変える
21、脳は妙に 直感する
     脳はなぜか「数値」を直感するのが苦手 
22、脳は妙に 不自由が心地よい
     ヒトは自分のことを自分では決して知りえない
23、脳は妙に 眠たがる
     「睡眠の成績」も肝心!
24、脳は妙に オカルトする
     幽体離脱と「俯瞰力」の摩訶不思議な関係
25、脳は妙に 瞑想する
     「夢が叶った」のはどうしてか?
26、脳は妙に 使い回す
     やり始めるとやる気が出る
  おわりに
  参考文献一覧
  索引一覧
  2,012年8月/科学エッセイ/単行本/扶桑社/中古
  <★★★★△>

脳科学に終わりはない!
池谷先生の脳科学本を読むのはたしか4冊目。
今回は講義をまとめた感じじゃなく、本にするのに結構大変だったろうと想
像するが、そりゃあワタシが心配することではない。
こういうジャンル、時に目にしないと飢えたような気分になるのです。そんな
時ちょうどいい。
脳科学の楽しい小ネタ集。
といっても落穂ひろいじゃない。最新の知見を使っている。
それにはご丁寧に番号を振り、後ろに載せている参考文献からでっせ、と
知らせてくれている。確かに新しいもののよう。
こんなことまでわかってきているんですよ、ってのが実にたくさん紹介され
ている。
各章のサブタイトルの、さらにその下のタイトルまで書くと面白いのだろうけ
れど、面倒クサーイ。
音楽好きとしては、名ピアニスト、リパッティのことが始めのほうの挿話に
出てきて印象的でした。
毎ページで付箋をつけたくなるくらい。付箋だらけになるので、ヤメ。
“驚愕”というんではないけれど、“へぇ!”と思い続けて倦むことがない。
推薦本。
もう一昔以上前になってしまうと思うけれど、竹内久美子さんの面白おかし
い科学エッセイ(今から思えばダーウィニズムとかネオ・ダーウィニズム
どにねざした内容が多かったように思う)が出始めたころ、目から鱗的に面
白くて数冊続けて読み、海外の生物学的な科学エッセイにも手を伸ばした
りするようになったんでした。
そんなふうにして読んだある本のタイトルを、ワタシいまだに携帯だとかPC
のメールアドレスにちょっとアレンジしながら使ってます。もう長いこと。
しんどいサラリーマン生活を、少しでもカラフルにしてくれたですねえ。
池谷先生の本も、ま、それに似た感じです、もうサラリーマンじゃないけど。
読了後第一に頭に(?)去来したのは、良くも悪くも唯一無二であると信じ
たい「自分」とか「自分の感受性」だとかが、どんどん曖昧になってきたな
あということ。脳学ではすぐにそのへんへ当たってしまうことだけど。
自分の自由意思って、なんなんだ・・・が大変印象的な今回の本。
結局どこまでが自分なんだ、自分てなんだ・・・
池谷先生、クラシック音楽がお好きらしい。
リパッティの逸話が出てきて、おやっと思っていたら、別のところで好きな
んだと書いているところがあった。
ところで、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」をたまたま聴いていて
思ったのだが、この音楽は(この手の音楽は)脳のどういうところで聴いて
いる、というか、脳のどの辺を活性化させているんだろうか。いや、活性化
してないのかもね。(そんなことはないだろうが・・・ )
単純には音を聞いて楽しむ、あるいはうっとりしているというのと、歌詞や
セリフを(も)聞いているというのとでは、確実に活性化部位は別々だよな。
歌詞やセリフといったって、‘花よ蝶よ’タイプのものでは理解云々以前だ
ろうから、中島みゆきシューベルトの歌曲を一緒にするのもなんだが、
これらとはきっと違うだろうし、ワーグナーの楽劇のような、歌詞というより
はほとんど渾然一体/陶然となった状態というのがあって、これもまた別
だなという感じだし、純邦楽系で何言ってんだかさっぱりわからんとか、意
味も分からず外国のポップスや歌曲を聞いているというのも、どうも違うと
ころを一生懸命活性化させているみたい。(これは声も含めて音とか音色
とかを楽しむ、最初に書いたものと似ているかもね。)
(映像がなくてもたとえば、ミュージカルや歌劇では、ドラマ性も多くなって
きて、そっちにシャカリキってこともある。ま、これは他の舞台芸術に含ま
せての検討ということになるのかな。)
それから、、、リズムにいかれるというか、民族的祝祭的な踊りものや大
勢が重低音ときらきらするライトのもとで踊り狂っている(都会、倉庫)の
なんてのもあるなあ。
ワタシは多分音や音色が中心だから、あまりあちこち活性化してはいな
い。「麻薬をもとめているのと同じ」なんじゃないか、なんてね。そうすると
かなり確実な線として、快感に関与する“線条体”にランプが点いたり消え
たりするんだろう。
音楽と脳についてはいろんなケースがあるから、きっとややこしいことこ
の上ないんだ。まだ多分教えてもらったことがない。出てそうだけど、本
も知らない。
ちょっと知りたい気もするが、わかったからって、その知識だけということ
になってしまうだけかも。
ああ今脳のあそこが活性化しているんだな、なんて考えながら聴く人も
いないだろう。

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          いまいちだよね、という感じで載せてあった。
     脳のどの部位がどういうことに反応しているか、図を3,4枚載せようかと思いましたが
     やめときます。