20140421(了) |
ロースソーン/チェロ協奏曲 他 |
Alan Rawsthorne(1905-1971) |
①交響的練習曲(1938) 21:23 |
②-④オーボエ協奏曲(世界初録音)(1947) 5:35/5:57/5:07 |
⑤-⑦チェロ協奏曲(世界初録音)(1965) 11:08/12:26:9:54 |
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ指揮/ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団 |
アレグザンダー・ベイリー(チェロ)/ステファーヌ・ランクール(オーボエ) |
録音:1999年8月、スコットランド、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール Tot.71:30 |
2001年/CD/管弦楽・協奏曲/NAXOS 8.554763/輸入/ネット |
<★★★★> |
[ 紹介] イギリスの名匠ロースソーンの協奏的性格を持つ傑作3曲を集めた一 | |
枚です。チェロ協奏曲では相当に名人芸的なパッセージを含む独奏パートと手 | |
の込んだオーケストラパートを、また管弦楽のための協奏曲ともいうべき性格を | |
持つ交響的練習曲ではそれ以上に華やかなオーケストレーションを聴くことが | |
できますが、支配的なのはむしろ胸に染みるような哀感、どこまでも透きとおる | |
ような美しい詩情といえましょう。さらにオーボエ協奏曲では、独奏楽器の持つ | |
独特の音色と弦楽器のみというオーケストラパートの特異性がこの傾向に拍車 | |
をかけており、大変に渋く、そして深い情感を帯びた仕上がりとなっています。 | |
特に音数も相当に少ない第2楽章に聴く寂寥感は絶品です
・・・・・・
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①紹介中の“名匠”なんて言葉は作曲家でも使うんだ、名匠デイヴィッド・リーン | |
なんてふうに映画監督なんかだと普通だけど。 | |
この作曲家は渋好みの交響曲を聴いたことがあるが、イギリス音楽ではわりと | |
硬派で、ほかにほとんど知らない。 | |
この「オケコン」ふうな曲もなかなか骨っぽくてカッコいいですねえ。(ワタシ、カッ | |
コいいと書いたら、たいていかなり褒めてるつもり) | |
オーケストラは悪いとは言わんが、ジョーンズさんの手綱や表現がいつも通り | |
少々緩く、ここでははっきり申し上げて難。もっとビシッと決めれば、バルトーク | |
やルトスワフスキの有名曲ように、オーケストラ・ファンは黙っちゃいないだろう | |
に。もっともっと魅力が引き出せるんじゃないか。 | |
もともとこのほの暗いムードなんか素晴らしいと思うしねえ。 | |
(とにかく曲の魅力が伝わってきておればよしとするつもりで、NAXOSのファン | |
をやってるわけで、文句はないのですが、ときたまこういうことを感じるときもあ | |
るのです。NAXOSさんの泣き所、かな。ゴメンナサイ。 | |
しかし、ひょっとしたら‘買い被り’で、そんなにすごい曲想でもオーケストレー | |
ションでもないということもあるかもしない。いずれにしろ、自分の耳なんか信 | |
用出来たもんじゃないことはわかっているつもりです。さらには、歳を取ってく | |
れば可聴域が狭くなるなどの聴力の物理的衰えだってあるそうですし。) | |
(もう一つ・・・このオケコンぽい曲、ある時、ドラキュラなどのハマーフィルムの | |
映画の音楽みたいに聞こえたのね。まさかと思ったけど、ハマーフィルムだっ | |
て英国だもんねえ。作曲者には失礼とは思うが、何に聞こえたっていいよなあ | |
って感じで、記憶に残っちまった。いつも思い出したりすることになったら厄介 | |
だが・・・) | |
この脱線・・・これこそがブログなわけで・・・ | |
②-④ オーボエと弦楽だけ。哀感とか寂寥感とかいった言葉が紹介文にある。 | |
それとは違う気がする。どう言えばいいのかはよくわからない。 | |
晦渋味のある情感? | |
⑤-⑦ オーボエ協奏曲と基本的に似た感じでも、こちらではフル・オーケストラ | |
がバックだからか、より深みが加わってさらに渋い。静かに終わる第一楽章もい | |
いが、第二楽章の気難しさなど、ちょっと嵌りますな。 | |
変な話、イギリス音楽っぽさは全然ないと思ったが、どうでしょうか。 | |
こういう作曲家もいるんだってこと。 | |
そういや、交響曲もうんと暗く、国籍不明の印象を持ったはず。 | |
第三楽章は精一杯明るくなってみました、、、。 | |
もっと凄まじい演奏も可能なんじゃないかという感じの優れたコンチェルト。 |