休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ディック&フェリックス・フランシス/「拮抗」

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20140426(了)
ディック・フランシス&フェリックス・フランシス/「拮抗」
  Dick Francis & Felix Francis  EVEN MONEY
  北野寿美枝/訳
  2012年/小説(ミステリー)/ハヤカワ文庫(単行本2011年)
    <★★★☆>
 

(内容紹介) おれはおまえの父親だ」ロイヤル・アスコットの初日、ブックメーカ
ーを営むネッドの前にやってきた男は、三十年以上前に自動車事故で死んだと
聞かされていた父だと名乗った。にわかには信じがたい話に混乱するネッド。だ
がその直後、突如出現した暴漢が父を刺殺してしまう。なぜ父は今頃になって
現われたのか?ネッドは否応なしに錯綜する謎の渦中へ巻き込まれてゆく。スピ
ーディかつスリリングに描くサスペンス巨篇。
亡くなってもう4年か。これは文庫では44冊目の番号がついている。
いったいワタシでも何年間にわたって読んできたのだっけ。
最初に読んだのは「興奮」。最後に鉛筆のメモがあり、’77.5.7となっている。
なんともはや、37年前だよ。
中のページが茶色。
ちょっと特別な作家ということになるね。
で、リストアップしてチェックしてみたら、まあこれのような息子さんとの共著のよ
うな新しいところはともかくとして、ご自分で書かれているところで、5冊もとばし
ていたのがわかった。
中古屋でそれとなく見ているんだが、そもそもフランシスの中古が少ないんだよ。
ここまで来たら、全部読んでしまいたい気も起きてきた、、、
とすれば、ネットか。ウーン。
毎回違う仕事で競馬と絡むとはいえ、めずらしや、本作ではブックメーカーを主
役に据えての物語。
ブックメーカー、つまり欧米での「賭け屋」、日本流では「ノミ屋」。オッズを操作し
て儲けようとするので、超鼻つまみ、嫌われ者・・・  たとえばこんな文章;
    
   「何をいってる。競馬ファンがおれたちに同情するなんて、あんたは夢の国
  にでも住んでるんだな」
   「ああ。おまえの言うとおりだろうよ」
   現にそのとおりだ。祖父がよく、ブックメーカーは押し込み強盗に対する程
  度の同情しか得られない、と言っていた。どちらも他人の財産を盗み取ろうと
  する者であり、ブックメーカーは合法的手段でそれを行っているだけだ、と。
   ギャンブルは疑いなく選択の自由を伴うのだから、私はかならずしも祖父と
  同じ考えではないが、毎日の商売相手の多くが祖父と同意見だということは
  知っている。
こんなのも;
   「(略) あんたらブックメーカーは人間のクズだ」
   またしても彼の激しい怒りの爆発に驚いたが、こちらが何を言ったところで、
  凝り固まった彼の見解が変わるはずがないということはわかった。日ごろは
  分析力にすぐれ、問題解決を図る鋭い刑事の頭脳も、ブックメーカーに対す
  る個人的見解に論理性を欠いていることは理解できないらしい。
なんてなふうにカッコつけて表現されているが、さんざんな言われかた。
今回は障害レースに限らない、なんとアスコット競馬まで出て来る。
それと、いきなり激しい事件が起きるというのも、わりとめずらしい気がする。 
しかも奥さんがいて、精神疾患を患っているなんてね、設定は工夫しているなあ。
はぁ。
まずまず満足。点数ちょい甘。
もどりまして、と、、、
リストを引っ張り出してみた。
写真も。
こんな感じで、転居したとき、フランシスのものはかためた。
古い文庫もハードカバーもある。どこかの図書館の処分品なんてのも。
とても‘処分’に回せず、今回は残した。

 
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                              (棚の本)
 
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(「興奮」のカバー表)
 
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(「興奮」のカバー裏)
 
 
(付録)
ディック・フランシス著作一覧
(小説)
1962年 本命 Dead Cert (1968年)
1964年 度胸 Nerve (1968年)
1965年 興奮 For Kicks (1976年)
1965年 大穴 Odds Against (1967年)
1966年 飛越 Flying Finish (1976年)
1967年 血統 Blood Sport (1969年)
1968年 罰金 Forfeit (1977年)
1969年 査問 Enquiry (1970年)
1970年 混戦 Rat Race (1971年)
1971年 骨折 Bonecrack (1978年)
1972年 煙幕 Smokescreen (1973年)
1973年 暴走 Slayride (1974年)
1974年 転倒 Knockdown (1975年)
1975年 重賞 High Stakes (1976年)
1976年 追込 In the Frame (1982年)
1977年 障害 Risk (1982年)
1978年 試走 Trial Run (1984年)
1979年 利腕 Whip Hand (1985年)
1980年 反射 Reflex (1986年)
1981年 配当 Twice Shy (1983年)
1982年 名門 Banker (1988年)
1983年 奪回 The Danger (1989年)
1984年 証拠 Proof (1985年)
1985年 侵入 Break In (1991年)
1986年 連闘 Bolt (1992年)
1987年 黄金 Hot Money (1993年)
1988年 横断 The Edge (1989年)
1989年 直線 Straight (1990年)
1990年 標的 Longshot (1996年)
1991年 帰還 Comeback (1992年)
1992年 密輸 Driving Force (1998年)
1993年 決着 Decider (1994年)
1994年 告解 Wild Horses (1995年)
1995年 敵手 Come to Grief (1996年)
1996年 不屈 To the Hilt (1997年)
1997年 騎乗 10 LB. Penalty (2003年)
1998年 出走 Field of Thirteen (1999年)
1999年 烈風 Second Wind (2000年)
2000年 勝利 Shattered (2001年)
2006年 再起 Under Orders (2006年12月)
2007年 祝宴 Dead Heat (2007年12月) フェリックス・フランシスとの共著
2008年 審判 Silks (2008年12月) フェリックス・フランシスとの共著
2009年 拮抗 Even Money (2010年1月) フェリックス・フランシスとの共著  レ
2010年 矜持 Crossfire (2011年1月) フェリックス・フランシスとの共著
(小説以外の作品)
1957年 女王陛下の騎手 The Sport of Queens(1981年)
左側は原書の出版年、右側(括弧内)は日本での出版年月。
邦題は全て早川書房によるもの。
 
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