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(帯紹介文) イギリスの近代作曲家、アーノルド・バックス(1883-1953)はモダニズ |
ム全盛の時代にあっても、自らを「恥じることなきロマン主義者」と呼んでいました。 |
彼の音楽は幅広いメロディーをもち、巧みで豊かなオーケストレーションが施され |
ています。とりわけ彼のピアノ作品は、戦争中に秘密の愛を育んだピアニスト、ハ |
リエット・コーエンのために書かれたものが多く、底に秘めた情熱の焔は永遠に青 |
白く燃えています。「冬の伝説」は彼が愛した北国の風景が描かれています。海と |
松林、暗い空、そして力強い自然が音で描かれています。サセックスの5月の副 |
題が付いた「朝の歌」は当時のエリザベス王女21歳の誕生日を祝うための作品 |
です。1933年には「サガ断章」が書かれます。これは、アメリカに演奏旅行に出か |
けるコーエンが、バックスに「新しい曲を演奏したいので作って欲しい」と頼み、彼 |
はそれに応え、自作のピアノ四重奏曲を小さな管弦楽とピアノのあために編曲し |
ました。当時の暗い世情を反映するかのような不吉さが全編を覆う濃い作品です。 |
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ピアノとオーケストラのための作品が3つ。 |
これまで聴いたオーケストラだけの作品とものすごく雰囲気が違う。そのことが |
はじめは違和感になった。 |
「豪」のバックス、「柔」のモーラン、というどなたかのレヴューが、モーランのとこ |
ろに書いてあって、それはちょっと違うと思ったのだが、このCDを聴いてみると、そ |
れもあながち間違っていない気がしてねぇ、よう聴いたはるもんや。 |
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(1)第一楽章はじめから大変力強く、暗めとはいえテンションが相当高い。勇壮 |
といってもいい。北国の風景と書かれているが、むしろロシア系に近くないやろか。 |
はじめは追い立てるような感じに聞こえた小太鼓も、徐々に違和感が薄れ始め、 |
ウムこりゃあ、アナザー・サイド・オブ・バックスと思えばええんやと、、、 打楽器 |
も聴きなれて来ると、そんなに多いわけでもない。 |
第二楽章もね、英国風だとは思えない暗さや冷たさや、深さ。フランス風な海。 |
第三楽章は長くて?バンドを分けてある。曲想も多い。が、甘さはうんと少なく、ピ |
アノあまりメロディアスなところはなく、つまりあまりピアニスティックな感じはしな |
くて、暗いか、ぶっ叩いているイメージ。オケは多くはうねっている。 |
予想外に大きなピアノ協奏曲。 |
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(2)さわやかな印象のピアノ付き管弦楽曲。 |
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(3)ピアノ四重奏曲というのは聴いたことがないが、‘不吉さ’とあるのはあまり |
ピンとこないものの、打ち沈んだ感じはかなり受ける。 |
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ということで、(1)や(3)についてはやや硬派な曲だったですかね。 |
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ボーンマス響の本拠地での録音のよう。iいつも通り残響が長い。嫌いじゃないん |
だが、本CDの場合は下品になる一歩手前かも。 |
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