休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

石堂淑朗/日本人の敵は「日本人」だ

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20140306(了)
 
石堂淑朗/日本人の敵は「日本人」だ
  第一章 「弱者」を甘やかすことが民主主義か
  第二章 国連・安保理事国加盟の愚劣
  第三章 子供を駄目にした「やさしさ」と「思いやり」
  第四章 「女らしさ」を忘れた日本の女
  第五章 日本人は所詮「日本人」にしかなれない
  第六章 「言葉狩り」を狩る
  第7章 「ニューアカ」は海外思想の興行師か
  第八章 テレビへの挽歌、映画への哀歌
       1995年/時事エッセイ/講談社(単行本)/中古
       <★★★★>
 

むしゃくしゃしている時に目についてしまった。
中国や韓国にイラつき、ごく近くではシリアやウクライナにイラついていたりして
いる中、自分の普段と生活となった実家でカミサンとオフクロにイライラしている。
そんな感じなんで、多分‘辛口’に引かれた(惹かれた)たんでしょうか。
この方の本職はシナリオライターで様々な社会的な主張の強い映画の脚本のみ
ならず、こんなものまでというほどいろいろなTVドラマ脚本を手がけられた。俳優
やTV出演もちょっぴり。東大文学部卒。田舎大学出のワタシとは違いますが、な
んと卒論に選んだ作家が偶然ワタシと同じ・・・ (1932-2011没)
石堂氏の本は1994年に『辛口気分』(新潮社)という本を読んでました。政治や世
相に超が付く激辛の批評を加えているもの。眉間に深い皺、こめかみには青筋が
何本も!という感じ。
いちいち「そうだ!そうなんだぁ!!! わかってんのか、あんたら!」と相槌を打つこ
とばかりで、ものすごくすかっとした。それが忘れられないものだから、敬意とお
礼を込めてこの本はついに(今回も)処分せずに残したんでした。

 

 20数年前の世相もいくらか伝わってきます。
 『辛口気分』のタイトルを並べてみると;
  ・細川「一憲支配」に異議あり
  ・国鉄も潰せた だから日教組
  ・国民負担50パーセントのべらぼう
  ・大相撲本場所はホノルルで
  ・美談は死んだ
  ・末期ガンほどカネになる
  ・小沢一郎氏の人相
  ・ある日の「女性フォーラム」
  ・おぞましや牝鶏晨して国滅ぶの図
  ・反時代的「女」差別のすすめ
  ・「男女共学」ならぬ「男女混浴」教室
  ・公明党は完璧な憲法違反
  ・さすがに聞かれなくなった「清き一票」
  ・「百姓」こそ戦後民主主義の鬼っ子
  ・先生が生徒を殴れば記事になる
  ・気違いは抹殺されなければならない
  ・保険会社の社長はデカイ顔するな
  ・真夏の夜の悪夢「サマータイム
  ・オリンピック馬鹿への挑戦
  ・ホステスかと思いきやキャスター
 

今回見つけたのは、カバーは美麗だったんだけれど、よくよく見てみれば実は古
くて、上記『辛口気分』のたった2年後のもの。カバー、もろ警戒色やね。だから
目についたということかも。写真両方撮っておこう。
もう20年も前の本。戦後は‘まだ’50年・・・ でもこういう本の内容の古び方は
早い。
目次のタイトルからだけでもやはり少し時間がたっていることがわかりはするけ
れど、まあ・・・ ハハハ・・・怒ってる怒ってる!
怒髪天を突く、なんて言うのかな。それも際限なくブチ切れまくりの図。
ここまで怒るか。2011年には亡くなっている。まさか、ここまで怒った状態で身罷
られたわけじゃないでしょうねえ。
中の小タイトルまで書けばよくわかるんだけど、ちょっと面倒なんで、パス。
勉強になる面も否定できないが、読んでこっちの気が晴れるというか、すっきり
するのですな。代わりに尖がった突っ込み(≒蹴り)を入れてもらってさ。
さて・・・たとえば石堂さんの主張のベースになっていたりするものの中に、こんな
のがある、、、
性悪説を唱える宗教は親鸞(何教?)とカトリックだけで、そのほかはことごとく
性善説
性悪説のほうが断然好ましい、と言っている。
性善説は、他の宗教を認めないから。
(特にプロテスタントはケチョンケチョン。オフクロに説明することは出来んがね。)
そうかぁ、、、理屈だワ。
ことほどさような理屈から、あちこち間違いを糺そうと言いつのるが、正論であるに
もかかわらず、20年たってもいまだに改善していないばかりか、さらにひどくなっ
ている問題が多い。まあほとんどお手上げ・・・ 
腹立ちの面持そのままに極端な表現を採られている。出版社もそのニュアンスを
面白がって、そのまま売ろうと考えたんだな。
フェミニズム’などはよっぽど嫌いなんだ。(嫌われるかもしれんが、実はワタク
シメもほぼ同感)
もっともベースの理屈部分にワタシとしては首をかしげたくなるものも、一部あるに
はありました。
大嫌いな三巨匠 :柄谷行人蓮見重彦浅田彰  ここまで嫌うか!(第7章)
中国・韓国系のこともちょこちょこ入る。(今と若干ニュアンスが違っている)
書き足しているとぞろぞろ伸びてくる。この辺で締めよう。おしまいは、、、
この方クラシック音楽のファンでして、そのつながりでガツンとやっているのは、グ
レン・グールドのバッハ。上の3人に対するものもスゴイが、これも相当でっせ。理
屈はかなり明快です。そういう見方があるんだ。苦手なのは同じながら、ワタシの
とかなり違うけど、、、判る気がしてしまった。(これも第7章)