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(帯紹介文) NAXOSの大好評シリーズ、ヴァインベルクの作品集です。今作は「シ |
ョスタコーヴィチの思い出に」と題された交響曲第12番と、シニカルなバレエ組曲 |
「黄金の鍵」の2つの作品を収録しています。すでに知られている通り、ヴァインベ |
ルクとショスタコーヴィチは親友であり、その作品にもショスタコーヴィチの影響は |
強く顕れています。この第12番を作曲した当時のヴァインベルクは、過去14年間 |
にいくつかの交響曲を書いたものの、それらは合唱付きであったり、室内オーケス |
トラのためであったりと、フルオーケストラのための曲は書いていませんでした。こ |
の作品で再び大編成の純管弦楽のための作品に着手したのは、やはり何といっ |
ても1975年のショスタコーヴィチの死が引き金になったことは間違いありません。 |
曲想も先人の作品に良く似たもので、曲全体に重苦しい雰囲気が横溢し、全ての |
楽器が親友の死を悼むかのように鳴り響きます。かたや、楽しげなバレエ音楽で |
すが、こちらもショスタコーヴィチの潮流を汲む風刺的な作品。様々な作品のコラ |
ージュなど意味ありげな音楽です。 |
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12番、なるほど、ですねえ。 |
第一楽章は、明るくはなくても一種‘戯画’っぽい感じ。 |
第二楽章は諧謔、第三楽章は深く沈潜しつつも非常に美しいレクイエムふう。 |
第四楽章ははじめは明るめだが、徐々に暗く陰鬱な気分に支配されてしまう。 |
これ、当然意図的に似せているのでしょうね? ショスタコーヴィチの後半のシンフ |
ォニーのデフォルメという感じ。 「感じ」でしょ?「感じ」。“全ての楽器が親友の死 |
を悼むかのように鳴り響きます”と書かれてしまっては、気にするなと言われても |
引きずられる。 |
全体にはいくらか暗めで、‘似せ方’など実に堂に入っているものの、思い出とし |
て再構築しているようで、十分工夫したオリジナリティがあると思う。ともあれ、似 |
ていることを謗られたり糾弾されたりするいわれはない。 |
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バレエ音楽のほうは、全体に軽みがあり明るくい。民謡っぽさもある。 |
8曲中⑥のエレジーのみ憂鬱で緩徐な曲。 |
ショスタコーヴィチ(の交響曲)に寄り添った感じの交響曲とは違っているとおもう。 |
だけど‘潮流を汲む’とある。そうなのね。 |
どう‘風刺的’なのか、どう‘意味ありげ’なのか、はワタクシメにはまるでわからな |
い。 |
第8交響曲『ポーランドの花』が大変素晴らしかったのでした。だから結構期待は |
大きかったのだけれど、古めの時事問題を扱ってみましたとでもいう風で、帯の紹 |
介文に反発してはみたものの、いまいちひきつけられる音楽ではありませんでし |
た。6番や19番なんてぇのが出ているようで、聴いてみたいとは思う。 |