休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヴァインベルク/Sym.12「ショスタコーヴィチの思い出に」他

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20140225(了)
 
ヴァインベル  Mieczysław WEINBERG 1919-1996
 
    ①-④交響曲 第12番
         「D.ショスタコーヴィチの思い出に」Op.114(1976) 57:19
    ⑤-⑫「黄金の鍵」~バレエ組曲 第4番 Op.55d(1954-1955) 18:21
    ウラディーミル・ランデ指揮/サンクトペテルブルク交響楽団 
    録音:2012年6月、露、サンクトペテルブルク、聖カテリーナ・ルター派教会 &
    ペテルブルク・レコーディング・スタジオ  Tot.75:40
 
    2014年/CD/管弦楽曲/NAXOS/輸入
 
    <★★★△>
 

(帯紹介文) NAXOSの大好評シリーズ、ヴァインベルクの作品集です。今作は「シ
ョスタコーヴィチの思い出に」と題された交響曲第12番と、シニカルなバレエ組曲
「黄金の鍵」の2つの作品を収録しています。すでに知られている通り、ヴァインベ
ルクとショスタコーヴィチは親友であり、その作品にもショスタコーヴィチの影響は
強く顕れています。この第12番を作曲した当時のヴァインベルクは、過去14年間
にいくつかの交響曲を書いたものの、それらは合唱付きであったり、室内オーケス
トラのためであったりと、フルオーケストラのための曲は書いていませんでした。こ
の作品で再び大編成の純管弦楽のための作品に着手したのは、やはり何といっ
ても1975年のショスタコーヴィチの死が引き金になったことは間違いありません。
曲想も先人の作品に良く似たもので、曲全体に重苦しい雰囲気が横溢し、全ての
楽器が親友の死を悼むかのように鳴り響きます。かたや、楽しげなバレエ音楽
すが、こちらもショスタコーヴィチの潮流を汲む風刺的な作品。様々な作品のコラ
ージュなど意味ありげな音楽です。
12番、なるほど、ですねえ。
第一楽章は、明るくはなくても一種‘戯画’っぽい感じ。
第二楽章は諧謔、第三楽章は深く沈潜しつつも非常に美しいレクイエムふう。
第四楽章ははじめは明るめだが、徐々に暗く陰鬱な気分に支配されてしまう。
これ、当然意図的に似せているのでしょうね? ショスタコーヴィチの後半のシンフ
ォニーのデフォルメという感じ。 「感じ」でしょ?「感じ」。“全ての楽器が親友の死
を悼むかのように鳴り響きます”と書かれてしまっては、気にするなと言われても
引きずられる。
全体にはいくらか暗めで、‘似せ方’など実に堂に入っているものの、思い出とし
て再構築しているようで、十分工夫したオリジナリティがあると思う。ともあれ、似
ていることを謗られたり糾弾されたりするいわれはない。
バレエ音楽のほうは、全体に軽みがあり明るくい。民謡っぽさもある。
8曲中⑥のエレジーのみ憂鬱で緩徐な曲。
ショスタコーヴィチ(の交響曲)に寄り添った感じの交響曲とは違っているとおもう。
だけど‘潮流を汲む’とある。そうなのね。
どう‘風刺的’なのか、どう‘意味ありげ’なのか、はワタクシメにはまるでわからな
い。
第8交響曲ポーランドの花』が大変素晴らしかったのでした。だから結構期待は
大きかったのだけれど、古めの時事問題を扱ってみましたとでもいう風で、帯の紹
介文に反発してはみたものの、いまいちひきつけられる音楽ではありませんでし
た。6番や19番なんてぇのが出ているようで、聴いてみたいとは思う。