休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

モーラン/管弦楽曲集

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20140222(了)
 

モーラン Ernest John MOERAN 1894-1950

 

  (1)仮面劇のための序曲(1944) 9:27
  (2)交響詩「山国にて」(1921) 6:24
  (3)狂詩曲 第1番 ヘ長調(1922) 11:26
  (4)狂詩曲 第2番 ホ長調(1924/1941) 12:17
  (5)ピアノと管弦楽のための狂詩曲 嬰へ短(長)調(1943)  17:32
    ジョアン・ファレッタ指揮/アルスター管弦楽団
    ベンジャミン・フリス(ピアノ)
    録音:2012年9月、UK、ベルファスト、アルスター・ホール  (Tot)57:06
    2014年/CD/管弦楽曲/NAXOS/輸入
    <★★★★>

 

(帯紹介文) イギリス近代の音楽はどれも牧歌的で淡い・・・そんな感想を抱いてい
る人にぜひ聴いていただきたいモーランの音楽。彼の作品はどれも活気に満ち、確
固たる意志を伝えています。彼の作曲家としてのスタートは遅く(初期にいくつかのピ
アノ曲はあるもののの)1930年代に発表したト短調交響曲の成功までは、作品が
評価されることもほとんどなかったと言います。そんな彼ですが、このアルバムに収
録された2つの狂詩曲や、実質的に「初めての管弦楽作品」である「山国にて」は師
であるアイアランドの影響を受けながらも、洗練された表情を持つ素晴らしい作品で
す。メロディはどこまでも幅広く優しく、そして優雅な雰囲気を持っています。時々現
れる民謡風なメロディもとことん魅力的です。ピアノが静かに活躍する第3ラプソデ
ィの魅惑的なメロディ、そしてまるで映画音楽のような仮面劇のための序曲など、一
度引き込まれたら離れがたい音楽です。
長いぞ紹介文! ここまで書いてあると、もう書く気なくなりそうだけどね、ともあれ
初物、モーラン、聴いてみました。
スタンフォードやアイアランドに師事。ディーリアス、ヴォーン=ウィリアムズ、アイア
ランドといった叙情的作曲家と同じグループに属すると言われるが、決して模倣的
ではなく「田園詩人」的でもない、かなり情熱的な面も見せる・・・云々、まだ解説し
てしまってらぁ。
アイアランドの管弦楽曲は聴いたことがないんだけど、このところ復習していたバッ
クスと似ていてね、バックスを聴きながらディーリアスを思ってしまったのと近い。
このモーランという作曲家のアルバムにもかなり似た感想を持った。ウォーロック
と友人だったとは書いてある。バックスとの交流は書かれていない。
叙情的作曲家であることはまちがいないところながら、でも上記どおり情熱的でも
あって、かなり明るくぶち上げもする。
元気いっぱいの(1)から始まって、いずれもすてきでしたが、(3)のラプソディーが
特によかった気がする。(5)はピアノが入って来るため、他の曲とはムードが違う。
とまあ解説的に書いちまいましたが、この作曲家、ワタシずばり好みです。
Also availableとしてNAXOSからほかに3枚出ているようだし、未完のSym.2も補筆
されて録音も出ているので、これらも聴いてみたい。
ちなみに、この録音とオーケストラに関して、ちょっとアンサンブルが気になるところ
があったのと、残響は長くても混濁せずムードがいいにもかかわらず、大活躍のオ
ーボエの音色が(これのみが)ちょっと魅力が乏しかったかなあ。