休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

万城目学/「鴨川ホルモー」

20140211
 

万城目学/「鴨川ホルモー
    2009年/小説/角川文庫/(単行本2006年:産業編集センター)/
    娘が置いて行った(押し付けられた)もの
    <★★★★>

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(カバー) このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡
されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと出向いた先で見た
ものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片想
い。祇園祭宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ
「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲ
に、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒
濤の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽
大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!
解説の金原瑞人さんの文章にほだされたと言いましょうかね。
あとがきを読まなかったら手を出さなかったかも。
それに、カバーの売り文句の調子がいい。4・4・5/7・5・7・5の組み合わせで、こう
いう口上なんかで使うの、なんて言うんでしたっけ。
ここでホルモーのなんたるかを書くわけにはいかない。
読んでのお楽しみ!
主役たちは京大生。龍谷大、立命館大京都産業大の4大学の学生たちとあること
で仰天の「戦闘」を繰り広げる。ある種伝統の・・・
オモシロおかしいのだが、結構深淵なる部分も垣間見せてくれる。
京都という町にピッタリ似合う上記魑魅魍魎とは何ぞや!
十数年前だったかに柴田よしきの“炎都シリーズ”という京都を舞台に始まるおどろ
おろどしい大伝奇小説シリーズを読んで面白かったのを思い出しました。どんどん
大風呂敷になって、どこまで広がるンや!てな感じでしたっけ。
ともあれどっかそうした摩訶不思議なものに通じるもンがそこかしこに口を開けて
るいう雰囲気を醸すのンは、やっぱし京都をおいてほかにアレヘンで。
そして、青春ものでもある。自分にもあった胸うずくあの頃のことを(軽くではありま
すが)だぶらせて読んでしまいましたです、ハイ。
間違いなく若者向きのエンタテインメントでしょうが、こんなオッサンでも十分楽しめ
たと自信を持って書いておきます。(なんてね、もっと今風な推薦の書き方がありそ
んなもんですが、そんなん、無理なんで・・・)
くれた娘に感謝。
(あとがきの金原氏、「プリンセス・トヨトミ」も併せて大推薦していて、こっちは大分
タイプが異なるのは、一部映画を観てしまっているので知っているんだけれど、実
は娘はこれもくれていまして・・・ま、また気が向いたら。)