20140119(了)
ミャスコフスキー/Nikolai Miaskovsky(1881-1950)
(1)シンフォニエッタ Op.32/2(1928-29) ①8:08 ②11:05(1~5) ③7:05
(2)テーマと変奏 ④ 13:35 (1~10)
(3)Two Pieces Op.46/1(1945) ⑤6:41 ⑥6:57
(4)NAPEVE ⑦ 1:45
セント・ペテルスブルグ室内アンサンブル/指揮:ローランド・メリア
録音:1994年4月、St.Petersburg Radio Studio
Tot.55:41
<★★★★>
よく見かけるロシアの作曲家なんですが、買ったことがないし、だいたい(たぶんだけ |
ど)聴いたことがない。今回初,、かな。 |
27曲も交響曲を書いているのが目を引く。このCDは交響曲じゃないけれど、名古屋 |
の中古屋ではその交響曲がやたらとあったっけ。見直しの機運なんて書かれている |
ものの、人気は上がってはいないみたいね。 |
初期=学生時代にはプロコフィエフと仲が良かったり、スクリャービンの影響を受け |
たり、赤軍に仕えたり。 |
中期のうち、1921-1933は実験的な作風になり、それ以降は社会主義リアリズムの |
世になったため、実験的なものは後退し、新ロマン主義に。オイストラフやロストロポ |
ーヴィチに協奏曲を書いている。 |
後期や晩年は、さらに後退。ロマン派ふうになって行って、実験的作風のころがあっ |
たとは思えないんだって。まあ批判をかわす方法は人それぞれといっても、たいへん |
だったに違いない。 |
その中期にあたる(1)、どこが実験的なの、と言いたくなるような、涼しげでほの暗くロ |
マンティックな曲調。北欧や特にイギリスの弦楽合奏曲を連想させる。 |
ヴァイオリンのソロなんかに出てくるメロディーラインが、確かにロシアっぽい。チャイ |
コフスキーが用いた民謡調みたいなのとか、ジプシーっぽいものとかがちらっと匂う。 |
でもそれぐらいなんで、お国柄は強く出ていないと思う。予想とは違う。 |
でも、だからって、気に食わんというわけではなく、いたって聴きやすく、凡庸と言われ |
たかもしれないけれど、それだからこそ大変ノーマルで、全体のバランス感も取れて |
いる。その上での哀調なんで、むしろ好みのタイプ。 |
シンフォニエッタというタイトルは3つ載っていて、これは二つ目。 |
(2)のテーマはたぶんグリーグのもので、さもありなん。 |
いろんな曲調が楽しく、(1)と変わらず古めかしいとはいえ、心地よい。 |
(3)はロマン派の音楽に戻ってしまっているということ? |
⑤は重々しく始まるも、基本的にやはり(1)とあまり変わらない調子。歌謡調がかな |
り強く、ちょっと胸に迫る。といっても、お涙ちょうだいではない。余韻たっぷりに静か |
に終わるという映画のエンドタイトルふう。 |
⑥はModerato。品のいいワルツ。 |
(4)は短く、子守唄ふう。 |
滋味豊かな音楽だと思い、いい星数です。 |
交響曲を聴くのはちょっと怖いが・・・ま、いずれ、なにかひとつ、、、 |