| これ、結構書きにくい。簡単になら一行で済むかもしれんが・・・ |
| フランスは特にアフリカ由来の人が多いから、こういう作品が普通に多いと |
| いうか、人種の問題もピンからキリまでのジャンルにわたってある。でも、 |
| この作品の作りはちょっと毛色が変わっていると思いました。 |
| |
| セネガルのダカールから法律を学ぶためにフランスに留学してきたロランス・ |
| コリは、哲学を学ぶことにする。倍も年上の男(妻子がいる)といい仲にな |
| る。それが色々あって(って、その色々が映画の主題)、生後15か月の娘を |
| 殺してしまったという罪状で裁判にかけられる。 |
| なんとも動きの少ない、裁判の中での喋り(恐らく実際のものに近い)がメ |
| イン。ただ喋っている。でもそれがなかなかスゴイのですな。想像ですが、 |
| 映画の手練れじゃ採らない手法でしょう? そうでもないのかな? |
| |
| もう一つの視点があって、この裁判を宿泊してまで傍聴している背の高い黒 |
| 人女性がかなり執拗に描かれる。彼女自身もセネガル系だからというのが |
| 取材の動機らしい。作家か記者か、とにかく物書き。徐々に個人的な反応が |
| エスカレートしてゆく。いわば二重仕立てなんだけれど、どうもその二重仕 |
| 立ての意味が分からない。わからないので、割愛。(作者の意図がわかって |
| ないので、いい筈がないのでしょうが) |
| |
| ロランスの示す多面性は一見ややこしい。アフリカから出てくるまでの出自 |
| や家庭の事情。法律から哲学への方向転換(これが大きい!)。男との関係。 |
| 子どもにかかわる様々な思いや考え。哲学をかじりながらも近づいてしまっ |
| た「呪術」の(つまり先祖返りの?)影響。などなど・・・ |
| そうしたものが合わさって、子どもを死なせてしまった理由は、しまいには |
| 曖昧模糊としたもの(証言)になってゆく。 |
| |
| はい、これでも書きすぎかもしれませんが、結局書いちゃいますと、すべて |
| 黒人女性をいたって当たり前に差別してしまうことが根源で、結果的に行き |
| ついてしまった複雑な状況を描いている。差別される側に起きてしまったこ |
| との丁寧な分析。する側の様々な認識のうち、仰天するような(実際には知 |
| っているから仰天はしませんが)証言も描かれていました。 |
| 言葉をなくしてしまいそうな話ですが、なくすわけにはいかない・・・ |
| そのくらいにしておきます。 |
| |
| 2016年に実際にあった事件をもとにつくられた、とある。高々10年前の話 |
| とは思えない「古さ」とその裏返しみたいなものを感じました。それだって |
| 映画の主張と重なっているでしょう。 |
| フランスの裁判のある形式なんですかね。裁判長のあの仕切り方! |
| 最後には陪審員みたいな立場の数人が泣いていましたっけ・・・。 |
| そうそう、ロランスのフランス語は、セネガルを出る時にはすでに完璧だっ |
| たみたいです。気にはなりましたが、これも、どう考えればいいのか・・・ |
| ひどい鑑賞記。ま、しょうがない。 |