休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ブーレーズ / ル・マルトー・サン・メートル他

20260307(了)

ブーレーズ

; ル・マルトー・サン・メートル他

 
(1)マルトー・サン・メートル(主のない槌)(1953-55)
 ①「激怒する職人」の前奏 1:49
 ②「孤独な死刑執行人たち」の補遺Ⅰ 4:28
 ③「激怒する職人」 2:29
 ④「孤独な死刑執行人たち」の補遺Ⅱ 4:04
 ⑤「美しい建物とさまざまな予感」 3:48
 ⑥「孤独な死刑執行人たち」 4:38
 ⑦「激怒する職人」の後奏 1:02
 ⑧「孤独な死刑執行人たち」の補遺Ⅲ 5:57
 ⑨「美しい建物とさまざまな予感」(変奏) 8:29
     エリザベス・ローレンス(ms.)(③⑤⑥⑨)
     ピエール・ブーレーズ指揮
     アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバー
(2)ピアノのためのノタシオン ⑩ 9:19
     ピーシェン・チェン(p.)

(3)2台のピアノのためのストルクチュール 第2集 

     ⑪ 21:02

     ピーシェン・チェン(p.)、ベルンハルト・ヴァームバッハ(p.)
 
  録音;1985年3月、バーデンバーデン、ヴァインブレナー・ザール/ライヴ
  CD/1989/歌&室内楽、器楽曲/現代音楽/SONY/邦盤/中古
  <★★★☆>

ピエール・ブーレーズ(1925-2016)
今さら「ル・マルトー・サン・メートル」もないんじゃない?と言われそうで
す。ワタシとしては久しぶり。LP以来と言ってもいい。
現代音楽(戦後の室内楽)の中では超の付く有名曲。
シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」となにかと比べられるそうな。そん
なことも知りません。
6人の奏者に歌(アルト)が付いた室内楽。
アルトフルート、ヴィオラ、ギター、ヴィブラフォン、木琴、そして打楽器。
打楽器は実にいろいろで11種類(中太鼓・ボンゴ2対、マラカス1対、クラヴェス、大
ベル、トライアングル、小タムタム、大ゴング・最低音タムタム、大懸垂シンバル、対で棹につけ
られた小シンバル)。
歌はルネ・シャール(1907-88)のシュールレアリスムの3つの詩(1934)が
テキストで、③⑤⑥⑨に入る。短かく気色の悪いものだけれど、ワタシには特
にこれという感慨はなし。短くても書き出すのはヤメ。
解説の中には「表」や「図」のようなものもいくつか載せられている。ともか
く、構造的な説明は熱の入ったもので、これが音楽の説明? そうなんだろうね。
でも正直あんまり興味なし。
 
・高度に集中的で、秘教的な詩的テキストである。音楽は、テキストの説明と
 して着想することは不可能(音楽化する際の中心としての役割を果たしてい
 る、、、)
・詩は音楽の中心ではあるが、詩は音楽から不在になる。それはちょうど、あ
 る物体の形が物体自体の姿を消す一方で、溶岩になって復元されたりするの
 に似ている。さらに言えば、ある物体の石化したものが、再認可能になると
 同時に、誤似可能になるのに似ている、、、
・厳格な構造や音列技法の経験を放棄することなくしても、大変魅力的な音楽
 が作られる作曲家がいることを明らかにした、、、
 
等々例えば、上記のようなことが書かれているわけですが、わかります?
擁護者の強力なサポートの結果、世界的な成功をおさめたいきさつもあって、
それもべつにどうでもいい。
 
例えば以下は去年の12月に聴いたもので、ピアノ曲以外は楽しかった、喜遊
曲みたいに聴けたと書いてます。
 
今回はそう楽しく聴けたわけじゃない。体調の問題でもない。
詩が関係していると思います。上記引用では、きっかけだが「添え物」とい
うような書かれ方をしているが、聴いているとそんなものじゃない、歌が間
違いなく耳に残ってしまって、喜遊曲にはなってくれませんでしたね。多分歌
がなければ、喜遊曲でなくても、色彩豊かな音の世界としてもう少し楽しめた
んじゃないかな。聴きなれてくると声以外の音の世界は魅力的でした。ライブ
の録音もいい。緊張感がかなり感じられたのが、ちょい微妙。
昔これ聴いた時はどう感じたんだろうなぁ。もはや忘却のかなた。
ワタシが初めて聴いたのは、1975年ごろでしょう、テイチクから出ていた比較
的廉価なLPを買ってしばらく時々聴いた。
今はもう持っていないそのLPは2回目ぐらいの録音でしょうか。当盤は4回目の
のものらしい。(勿論5回目もあった・・・)
 
音楽の感触が書けていない、鑑賞記らしくないものになりました。セリーの音
楽((2)はセリーではないそうです)なんてものの鑑賞記に使う言葉は、簡単
には出てきませんけどね。
ちょうどこの時、娘が送ってきていたあられもないホラー小説『火喰鳥を、喰
う』というのを読んでまして、さぁゾワゾワしなさいよーというやつ。これに
意外にフィットしました。音楽自体はホラーでもないければダークでもないの
ですけどね。わかってもらえないとは思いますが。