休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

圓生 五題

20260117(了)

六代目 三遊亭圓生 ベスト

Disc1
 (1)夏の医者(S54.9.1 池袋サンシャイン劇場)
 (2)庖丁(S35~36頃 鈴本演芸場
 (3)佐々木政談(S35.5 NHK
Disc2
 (4)百川(S53.10.1 池袋サンシャイン劇場)
 (5)文七元結(ブンシチモットイ)(昭和36年12月26日 NHK)
 
 CD/2011/2枚組/落語/日本コロムビア/邦盤/中古(レンタル落ち)
 <★★★★>

音が悪いんじゃないかと心配しました。特に(2)と(3)と(5)。
圓生さん(1900-1979)は、わずかしか聴いたことがありません。ま、ワタシ
の落語鑑賞歴や知識は毎回書いてますが、ロクなもんじゃないので・・・
みんな江戸時代の噺やね。

(1)夏の医者
老医者を呼びに行ったところ、あまりのスローモー。焦ってしまうシチュエー
ションが面白く、そっちでサゲられるのかなと思ったら、関係は大ありなんだ
けれども、ちょっとずれた。ラスト、老医者がうわばみ(超でかいヘビ)と対
峙する状況は頭には思い描きにくい。NHKの「落語ザ・ムーヴィー」でも無理。
マンガならいいかも。
 
(2)庖丁
苦労したはずなのに浮気性が出て、女を作り、夫婦生活を台無しにしようとし
ている。金が欲しい友人に一芝居打たせて、姑息にも奥さんに間男ができたか
のごとき状況を作ろうとする。が、うまくいかず、話がでんぐり返ってしまう
感じ。サゲはこの噺にうまく絡んで絶妙でした。
(1)より20年も若い圓生さんの声や活舌が若い。テンポもやや速かったかも。
心配した録音は悪くなかったんだけど、ただねぇ、男二人の描き分け、喋り分
けがちょっと不満だったかな・・・
 
(3)佐々木政談
大岡政談がうんと有名だけど、それだけじゃないんだよというマクラ。ところ
が始まった噺は意外なもので、子どもたち何人かが見事な「政談」ごっこをや
っている。それをたまたま佐々木というお奉行が観ていて、子どもたちに邪魔
者扱いされたりなんかする。奉行の佐々木さん、帰ってから奉行役をやってい
た子どもとその男親をお白州に呼びつける。男親は首を斬られる、おしまいだ
ぁーと戦々恐々。
ところが予想通り、佐々木奉行さん、罰するなんて気はさらさらなく、利発な
その子と話をしてみたかった。ほとんど冗談みたいな、今まで聴いたことのな
い、珍しいシチュエーション(サゲも)の噺。
音はよくなかったけど、面白かったです。

(4)百川
思い出しました、前に聴いたのは志ん朝のもの。そこそこ面白かった。
マクラは各地の誇りである祭り。なるほど。
祭りの後、羽目を外してしまい、大事な持ち回りの四神旗(マトイみたいなも
んか)を売っ払って飲んでしまったもんで、困り果てた状態の河岸の若い衆の
集まり。そこへ使用人の口に応募して採用されたばかりの、やや年かさのオッ
サンがやってくる。若い衆が呼ぶんだが、たまたま手が足りなくて、主はこの
オッサンを用向きをいきなり聞きに行かせる。店の名が百川でした。
荒っぽい河岸の若い衆だが、心配事が大きいもんだから、用聞きに来たオッサ
ンの一応パリッとした身なりに、ハナから心配事にかかわる方に違いないと思
っちゃう。またそのオッサンの方言(どこのもんなんですかねぇ)が猛烈にひ
どくて、話が通じない。オッサンも勝手がわからずとんちんかんなら、若い衆
の(リーダーの)ほうも心配事の方へどんどん誤解を進めてしまって、しっち
ゃかめっちゃかになってしまう・・・ かなり笑ってしまう噺。
いろんな方が演っていますが、どうやら圓生さんの十八番なんでしょう。言葉
の誤解の具合がきっと名人芸。志ん朝さんのも負けてはいなかったとは思いま
すが。
 
(5)文七元結
これも多分志ん朝で聴いたはず。腕もある左官職人が博打にのめりこんでしま
って、奥さんをDV、娘がいたたまれず吉原に自ら身を売るなんてことまでして
しまい、、、なんてのが前半で、後半では別の話がくっついている。男に次の試
練が出来して大波乱。これがなんともうまくさばかれ、大団円。盛りだくさん
な名作。
記憶ではスタートがもっと長かった。志ん朝さんの創作があったのか、覚え違
いか。すぐに忘れてしまう・・・
この左官職人のキャラがかなり違って聞こえるのが面白い。博打にのめりこん
で後悔しきりのくせに、異常に頑固で、娘に「ゴメン」とは絶対よう言わん。
志ん朝さんだと、若くて柔らく、今にもゴメンナと言いそう。奥さんだって若
そう。裸同然で色っぽい。思いつめる娘さんは幼くいたいけな感じ。そもそも

圓生さんのだと、この夫婦、もっと年齢がいってそうに聞こえるもんね。娘さ

んだってもうちょっと大人びて感じられた。

 

心配した音質はまずまず大丈夫。
 
この5話をもって圓生さんのベスト、というのはちょっとちゃうんやないかと

思いますが、まぁよう知らんのやし、それはええわねぇ。それよりなにより、

しっかり楽しめてよかった。