休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アート界と裏稼業 『ザ・キル・ルーム』

20251211(了)
映画『ザ・キル・ルーム』
  監督・脚本;ニコル・パオーネ//ユマ・サーマンジョー・マンガニエロ
                サミュエル・L・ジャクソン/マヤ・ホーク
  2023年製作/95分/米/原題:The Kill Room/PrimeVideo
  <★★★☆>

ブラックなコメディ

ヘンな映画ですね。きっと高評価は得にくい。コメディなんだけれど、けら
けら笑えるようなギャグはないし、機関銃のような早口な喋りの内容が捉え
にくいし、いっぽう展開自体は緩くてサスペンスフルというわけでもない。
万人向けとは言えないね。でも、いやほど映画を観ている人には、案外新鮮
に思えたりなんかして・・・わかりませんけどね。
コメディは難しい。
 
ニューヨークの小さい画廊がなんだか時流に乗れないで傾いている。明日を
もしれない状態。経営者は中年女性パトリース。
いっぽう、パン屋(のような感じ)の店主ゴードンは変なことに手を染めて
いる。変なことというのは殺しの請負業(こっちが主)。殺しの係はレジー
いう。この二つの店があり得ないようなことでもって接点が生じる話。

パン屋は殺し屋稼業の方で儲かっているが、資金洗浄が必要で、考えたのが、

画廊を通じて(覆面画家の)絵を売ることで何とかなるんじゃないか。主の
ゴードンにもちかけられたパトリースはいったんは蹴るものの、やむなく受
けることになる。しかも絵を描くのが、なんと殺し屋であるレジー。上手い
んだか下手くそなんだかまるでわからない、分厚く絵具を塗るアブストラク
トなもので、それが結構まじめに描き、作品にはいずれも共通点がある。
 
この話に絡んでくるのが、一つはアート界。こっぴどくおちょくられる形で
描かれる。戯画的だけれど毒気も込められている。
もう一つは、ユダヤ系云々という言葉も出てきて気にはなったが、それはよ
くわからない、ゴードンに殺しを依頼する側のヤクザ/裏社会のグループ。
 
絵なんかどうでもよくて、目立たずにやってゆくべき資金洗浄なのに、あろ
うことか売り出しが当たって絵に人気が出てしまい、名を伏せていた画家が
騒がれることになる。当然、話がこじれてゆく・・・
始めに書いたように、コメディタッチながら、主にアート界の会話が「クソ」
で、(まあ、今までにもこういうのは観てきた気がしますが、それにしてもこ
こまで馬鹿にしてエエンカイナ)笑えないのですな。
そうそう、殺しに使う「道具」までアートになっちゃうなんてのもそう。

結末の「ショー」のアイデア(タイトルに直結)にはちょっとびっくり。
このブラックな、あるいはおちょくった嗤いを、ちょっぴり楽しんでしまっ
たかもしれません。