休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

EXPO’70 鉄鋼館

20251210(了)

スペース・シアター

:EXPO’70 鉄鋼館の記録

(1)武満徹クロッシング(8:58)
(2)高橋悠治/エゲン(10:20)
(3)クセナキス/ヒビキ・ハナ・マ(17:22)
 
 指揮;小澤征爾(1)(3)、若杉弘(2)
 管弦楽;日本フィルハーモニー交響楽団
 (1)東京混声合唱団女声部、高橋悠治(p、チェレスタ)、安倍圭子(ヴィブラフォン)、
   伊部晴美(ギター)、木村茉莉(ハープ)
 録音;1970年1月、川口市民会館(1)(3)/1969年11月、日フィルリハーサルホール(2)
   (後日スペースシアター録音調整室などでスタジオ音響処理がなされている)
   Tot.36:58
 CD/現代音楽/管弦楽他/SMJ(ⓅⒸ 1970,RCAビクター)/中古
 <★★★★>

手に入れてみる気になったのは、今回の「万博」に影響を受けて連想したとい
うわけじゃないつもりですが・・・ いやー、そうかも。
鉄鋼館は、改築されてまだ万博公園にあるそうな。万博後の計画だった芸術セ
ンターにもスペース・シアターにも使われてはいないようで、今何に使われて
いるんだかよくわからん。残す意味も。
(⇒日本万国博覧会の記念館である「EXPO’70パビリオン」として公開中)

 

大学生時代、1970年の夏休みに大阪へ帰省していたところに、下宿が同じだっ
たために友人になった男が、退学前にわざわざ佐世保からきてくれたのです。
で思いついて、万博に行ってみることにした。ワタシは人混みが好きでないも
のですから、万博に行くなんて全く考えていなかったのですが、訊くと行って

みたいというので、一念発起、早起きして二人で千里に出かけたというわけで

す。

ネットのネもない時代ですからいきなり行った。入れましたね。だけど人が多
くて多くて、人気のパヴィリオンなんて入れない。すいているところを探して
うろうろ。その中の一つが鉄鋼館でした。現代音楽なんてワタシもまだちょこ
っと齧った程度だし、彼に至っては全く意味のあるものではなかったので、通
り抜けただけみたいなもんでした。演奏はやっておらず、録音が流れていた。
その音楽や音響が素晴らしく思えたという、いたってぼけた記憶です。それが
1000個のスピーカーの威力だったんでしょうな。
流れてたのが3人のうちのどれかだったのなら、武満の音ではなかったから、
高橋悠治クセナキス
さあ、聴いて55年前に聴いたのが「あっ、これや!」 なんていうことになった
ら、ええやないですか。

         そうそう、こんな感じでした・・・

(帯)
 1970年に日本中を沸かせた大阪万国博覧会の「鉄鋼館」内に設けられた「ス
 ペース・シアター」は天井や床下まで音響で埋め尽くすことが可能な立体音
 響空間で、使用されたスピーカーの数は1000個を超えたとも言われている。
 本作は、その「スペース・シアター」での上演を目的に武満徹クセナキス
 高橋悠治といった気鋭のアーティストが作曲し、録音された音楽を、家庭で
 のステレオ再生用にリミックスしたものである。
 
その1000個のスピーカーを、スイッチング・システムとやらで自動的に切り替
えたり音像移動をやる云々などは、どういうことなのか、どういう効果があっ
たのか等々、今ここではまったくわからない。想像するだけ。単純にちゃっち
い装置で聴くだけです・・・
 
(1) クロッシング 別のCDで聴いて知った曲ですが、これ、なかなかリアル
な気がしましたね。楽器の音がみなとても音楽的。70年ごろの録音とは思えな
い。そして、なんか、音が動くみたいな感じも。
合唱の音だけが(このCDを通して、唯一)ちょっと怪しかった(割れた)けど
・・・ 結論としては、この音楽は、別に鉄鋼館でなくてもいいかなぁ。
 
(2) エゲン   武満のような美しさのある音楽じゃなく、あくまで試しにやっ
てみてるという感じ。「仏の慈悲のまなざしを意味する慈眼に対応して、人間の
の側から真理への道をあらわす」(作曲者) ムムム。
AIに敢えて「機械的」に作曲させてみた、てな感じ。それをまた人間が演る。
実際の鉄鋼館での音はきっと面白かったろう。
 
(3) ヒビキ・ハナ・マ  クセナキスは基本的にあまり好きではなかった。こ
れは解説をほぼそのまま写してみますか・・・
 
 「特徴的な標題は作曲者により『音・反響、花・美しさ・動きの優雅さ、距離
・空間と時間の間隙』と表明されている。言い換えれば『響・花・間』となる。
(略) 『非常に複雑の組織された音、すなわち弦楽器のグリッサンドの諸形態、
管楽器のポリフォニー、打楽器の群、日本の音楽の基本的な構造などが使われ
ている』(作曲者)
 邦楽器を含む音素材は12チャンネルからなり、これらが時間の経過にそって
細かく移動し、聴衆を包む音の奔流となる。」
 
様々な楽器の音と様々な電子音が、書かれているように、どんどん組み合わせ
が変わりつつ、ハイテンションで流れて行く。それも轟々と。ド迫力。これこ
そ鉄鋼館で聴いていたら、圧倒されたに違いないんだが・・・。(2)同様で、
抵抗感はありませんでした。案外楽しかった。
 
で・・・ 70年の万博時。通りがかりに聞こえていたのは(2)だったんじゃな
いかってことになりました。確信はありません。

(2)でも(3)でも、相当おどろおどろしいサウンドが流れていたことになり

ます。今さらどうでもいいこと・・・では、寂しい結論ですが。