休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『Flow』 セリフなし

20251030(了)

アニメ映画『Flow』

 ギンツ・ジルバロディス監督・製作・脚本・編集・音楽
 2024年製作/85分/ラトビア・仏・ベルギー合作/原題:Straume/PrimeVideo
 <★★★★>

ワタシの分でもいいが、登録するのがめんどくさそうなので、カミさんのPrime
Videoとやらで、触り方を教わって観ました。カミさんは毎晩のように米英のテ
レビドラマを観ているので、「早くしてね!」などとせっつかれましたがね。デ
ビッド・スーシェのポワロものの最終シーズンだけが有料だなんて、と怒って
ましたっけ。『カーテン』てえらい前に読んだことあったなぁ・・・ 「観ても

いい作品リスト」の有償・無償のチェックをしなきゃならんのか・・・面倒だ

がやるしかないかぁ。

 
ラトビア発というのも珍しくて・・・ とても面白かったです。
映画のはじめから人間なんていない世界なんですが、猫がいた家や大小の動物
の像(猫が多い)に交じって、ちょっと人間のものも映ったので、いたらしい
ということでいいと思います。ノアの箱舟の話よろしく、デカイ洪水がすでに
起きちゃってたのかもしれない。
始め、猫がいた家は「現代」のものながら、その後ほとんど水中に没して上だ
け見える構造物は千年単位の古さ(遺跡?)だった。こだわる必要はないので
しょう。とまれ、鹿の群れがどどっと逃げて行ったら、更に洪水が襲ってきて、
みるみる水の惑星と化してしまう。
主役の猫が逃げ惑い、追い詰められて行く中で、仲間となる他の動物、ワオキ
ツネザル?、レトリーバー風な犬、脚長の白くてデカい鳥などとなんとなくコ
ミュニケーションが採れ、呉越同舟風に小さい帆船に乗り合わせ、緩い仲間と
して結束。水に支配された世界をさまよう。彼らの雌雄は不明・・・ そもそ
も雌雄に関係した表現は、思いつく限りではない。
この猫ちゃんは、なんと水の中が平気。泳げるどころか潜れる!
白くてデカい鳥は、いきさつもあってか、リーダー格。自然に船の舵を担当す
る・・・ と思ったら、あれれ、皆、舵のことはわかっていて操作するんだ…
他に出てくるのキャラとしては、レトリーバー(犬の代表)の仲間の犬たち、
ワオキツネザルの集団、クジラっぽい海中の巨大な生き物一頭、といったとこ
ろ。しばらくの後、水は突然引き、スタート時点に戻る・・・
 
コミュニケーションも見どころ。セリフが一切ない分、以心伝心的な意思の疎
通が発生する。ちょっとありすぎで、その辺に抵抗をおぼえてしまうひともひ
ょっとするといるかもね。それゆえというべきか、ま、基本的には小学生あた
り向きといえるかもしれないが、そうでもないかも。中高生あたりに考えさせ、
面白い点とか解釈を開陳し合わせるのも面白いだろうな。決めつけはなしにね。
 
何の説明もない終末的シチュエーションの景色の映像が、一見古風ながら見事
で美しく、スペクタクルの迫力も素晴らしい。大きな賞獲得は納得。映像のこ
とのみならず、多くの含蓄を感じさせてくれるから。寓意や含蓄、つまりは擬
人化なんだけどね。大人だって、ほっておいたら意味を考えずに(連想せずに、
あるいは、こじつけずに)おれない物語と言っていいと思う。

音楽はミニマルっぽいものをベースにして、その上にうまーくメロディを被せ
たというふうでした。すべてシンセ。
5年もかけて製作したんだそうな。意外に書きにくいですね、この鑑賞記。