休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

カロル・シマノフスキ/マズルカ全曲

20250608(了)

Szymanowski(1882-1937)

 The Complete Mazurkas

(1)20のマズルカ Op.50 (1926~31)
   ①~⑳
(2)ヴァルス・ロマンティー  (1925)
   ㉑
(3)4つのポーランド舞曲 (1926)
   ㉒マズルカ  ㉓クラコヴィアーク  ㉔オベレック ㉕ポロネーズ
(4)2つのマズルカ Op.62  (1933&1934)
   ㉖㉗
 
   マルク=アンドレ・アムラン(ピアノ)
   録音;2002年8月、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール Tot.71:32
   CD/クラシック/器楽曲/Ⓟ&Ⓒ 2003 Hyperion/輸入/中古
   <★★★★☆>

2月に聴いて3月にアップしたピアノ曲集は好みのアルバムにはなってくれな
かった。マズルカは入っていいなかったのだけれど、そのとき、なぜかマズル
カならいいかも、と思ったんでした。
結果は大正解!
 
シマノフスキピアノ曲は、他の作品と同じく 〇ロマン主義ショパンの影
響下) 〇印象主義の影響 〇ポーランド国民主義に心酔した最後の様式 の3つ
に分かれるそうだが、このアルバムのものはすべて、3つ目のものに属するそ
うな。ま、解説は極力読まずに、自分の感覚頼りで書いてみます。
 
(1)マズルカですから、すべて3拍子。やっぱり3拍子は入りやすい!
始めのほうは終生愛していたというショパンに通じて、繊細でどこか中性的な
感じがあったりなかったりするのだけれど、中ほどあたりからは鋭く筋肉質、
あるいはステンレスのような冷たい激しさ・鋭さ、民族的とはもはや言えない
ような、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」みたいなSFめいた感触の占め
る割合が増えて来て(って、オーバーですが)、ショパンに通じるものなんて殆
どなくなっちゃう。誤解を恐れずに言えば、例えばダークな感じの網かけが施
されたような具合、とでもいうか。
でも幅のある曲調の20曲でね、なかなかよろしい!3拍子の魔法かも。
 
(2)3拍子といってもこれはもろワルツで、ラヴェルの「ラヴァルス」のよう

なものを連想したんだが、ライナーにも全く同じことが書いてあった。

(3)この4曲は(1)の20曲とは違って、民族的なもののニュアンスがストレ
ートに出ていて抒情的。この感覚を請われて書いたんじゃないかしらん。これ
はこれでいい。このアルバムを通じ㉓~㉕のみ、3拍子じゃない。
そして(4)の2曲。シマノフスキピアノ曲としては最後の完成曲だったとあ
る。(1)なんかより音が少なく、(3)よりさらに抒情や美しさがある。
 
ピアニストのことは、名を聞いたことがある程度でしたが、大変な才人だそう。
また、『ペトルーシュカからの3楽章』やリストの『ハンガリー狂詩曲第6番』
のような、いわゆる「技巧をひけらかすだけの曲」は演奏しない、なんて言っ
ている方なんだって。(へぇー! オモロイ! ワタシは『ペトルーシュカ』は大
好きです。アムランさんには外連が過ぎるということなんでしょう。技術はそ
ういうもののために使うべきではない・・・ 今でもそうなんでしょうか)
聴くほうの思いと、弾くほうの思いは、相当違うと思うけどね。
何か探してみよう、安いものがあればいいけど・・・

(追)

6/22  深夜、クリーヴランド管弦楽団/デイヴィッド・ロバートソン指揮の演
奏会がテレビで流れ始め、アムランの名も見えたので、そのまま流しながら夜
のルーティーン・・・
 ①コープランド;「アパラチアの春」 ②ガーシュイン;「ラプソディー・イ
 ン・ブルー」 ③デューク・エリントン;「ニューワールド・アー・カミン」
 ④コープランド組曲「入札地」(それぞれの曲名は控えてません)

①きち―っとした「アパラチアの春」でした。もうちょっと外連味も欲しい感

じ。

②餡子の「ラプソディー・イン・ブルー」。テンポはたいしていじらず、①同
様きっちりした演奏だけれど、各楽器の奏法自体はいろいろ遊んでました(と
ワタシは思いましたけどね)、逆にオリジナル(?)に近いものだったかもし

れません。まだまだ若い64‐65歳のアムランさんのピアノは技術やタッチは見

事にしゃっきりしてましたが、なんとインプロヴィゼーションはほぼゼロ!
(驚いていいのやら、やっぱりなぁと思うべきなのか)
③エリントンですよ、フルオケとピアノですよ、これは知りませんでした。ピ
アノ独奏付きのジャズファンタジー。どこまでがエリントンのオリジナルなの
かはわかりませんが、こういうの書きたかったんだろう。きっとガーシュイン
の影響もあったの違いない。10分ちょいぐらいのもので、ピアノは大変難しそ
うだったものの、アムランさんは上記同様大真面目に弾き切って、スイング感
はゼロ。オケ部分も生真面目なものでした。
④このコープランドの曲、初めて。歌劇の組曲版かぁ、そもそも歌劇を知りま
せんでした。1930年代を舞台に中西部の大農場モス家の娘ローリーと、使用人
マーティンとの恋物語を描いた作品だそうな。フーン。
アメリカの中西部に抱きがちなカラッとした抒情が主。人が少ない感じ ❷
牧場の開発、運営、生活などのいろいろ、かな ❸「生活の約束」とあって、
未来に向かってというしめくくりやね。ふわーっと盛り上がって、静かに終わ
る。地味ながら案外素敵な曲でした。オペラとして聴きたいとは思わないけど。

 

(トランプさん、あんたにはわからんのんちゃうかな、これが日本で聴かれる
 るなんてことも、さ・・・
(アムランさんはカナダのかたなんだ・・・
(カナダと言えば・・・
ハイ、やめときましょう
 
現代音楽や軽音楽系にも造詣が深そうなロバートソンさんだけれど、結構真面
目な音楽づくりでしたね。ぜんぜん悪くなかったけれど・・・ちょっと期待と
とは違ってました。
古い話で恐縮ですが、セル/クリーヴランド管を生を聴けなかったのが残念。
A・クリュイタンスも(って、クリーヴランド管とは何の関係もないけど)・・・
チャンスがあったのに、といまだに悔やんでいるのです。
この録音のホールとセルのレコード録音のホールが同じかどうか知りませんが、
この放送のホールのホールトーンがかなり短く、セルのレコードとよく似てる
気がしました。