|
20250402(了) |
映画『ボレロ 永遠の旋律』
| アンヌ・フォンテーヌ監督/ラファエル・ペルソナ/ドリア・ティリエ |
| 2024年製作/121分/フランス/原題:Bolero/DVDレンタル |
| <★★★★> |

| ラヴェルの音楽は中学校の時から聴き始め、今に至るまでぽろぽろと聴き続け |
| てきました。好きなのですが、シャカリキに聴くなんてことはだいぶん前から |
| ありません。でもまあ、いくらか知っているつもりなわけですから、作りに文 |
|
句の一つでも言ってやろうなんて、ゲスな考えもちょっとは持って観ることに しました。 |
| そうそう、それとワタシはラヴェルの曲の中では、ボレロは聴きたいと思わな |
| い最右翼の曲であることも先に書いておきます。ジョルジュ・ドンが真ん中で |
| 踊るバレエ版なんてのも然り。逆にいつでもどうぞというタイプのものとして |
| は、「優雅で感傷的な円舞曲」「ラ・ヴァルス」「クープランの墓」「マ・メール |
| ・ロワ」「ソナチネ」「子供と魔法」あたりということになります・・・ 「夜 |
| のギャスパール」が入っていないではないかなんて言われそうです。確かに何 |
|
かすごいものが潜んでいそうな曲ですよね。でも、ワタシはそんなすごい人間 じゃない・・・ハハハ |
| それが予想外のことになりました。なんと、3度も涙を流しちゃった。ドラマ |
| にというよりむしろ音楽に。我ながらラヴェルが好きなんだとわかったことが |
| 嬉しかったですね。 |
| たぶん、ラヴェル好きであるほうが、そうでないよりはるかに楽しめる映画な |
| んじゃないでしょうか。わかりませんが、映画としては、あちこち鼻白まされ |
|
たこともあったりしましたし。まあそこそこの出来というぐらいだったと思う ので。 |
| 映画は、「ボレロ」が今昔のものを含め、実にいろんな国々でいろんなジャン |
| ルとして演奏されているというオープニングで幕が開き、このセンスがいきな |
| り面白く、一気に引き込まれたのを白状しておきます。知っているものもあり |
| ました。で、全体も結局は「ボレロ」を表に出したり通奏低音にしたりしなが |
| ら、イダ・ルービンシュタインに頼まれたバレエ音楽として生みの苦しみが伴 |
| った「ボレロ」に焦点を当て収斂させてゆく、というような作り。 |
| 併せて、伝記にも書いてあったように記憶していますが、女性との肉体的な関 |
| 係が密であったわけじゃないのに、その人生には何人もの女性との関係が影響 |
| を与えていることを、時を行ったり来たりしながら描いている。 |
| この作品自体も、多分ローマ大賞の試験(の一つ)に落ちた1903年あたりから |
| 没年の1937年まで、一種の伝記のよう。 |
| 思うところあって軍隊に入るが、背が小さいとかだったか、医療関係に回され |
| るなんてところも一応描かれてましたね。唐突感のあるアメリカ行きもなかな |
| か面白かった。もっとも、ガーシュインとの接点は描かれなかったなぁ。 |
| 多く描かれる女性は、母親、マルグリット・ロン、非常に親しかった人妻ミシ |
| ア、家政婦、影響力のある女ダンサー イダ。 |
| 「ボレロ」以外の音楽もたくさん出てきました。このことが良かった。ピアノ |
| 系が多かったですね。思い出してみますと・・・ |
| ラ・ヴァルス、マ・メール・ロワ(これは3か所ぐらい使われ、終曲は盛り上 |
| がって効果的でした)、ヴァイオリン・ソナタ、「夜のギャスパール」から、 |
| 「鏡」から、逝ける王女のためのパヴァーヌ、弦楽四重奏曲、ピアノ協奏曲 |
|
・・・などだったでしょうか。まだまだある傑作が出てきませんでしたが、 それはしょうがない。 |
| 当時のパリのクラシック音楽界の大物が多分ほとんど出てこなかったことも |
| そう。ストラヴィンスキーだけは名前が出てきました。 |

| ラヴェルには今でいうと、どこか発達障害的なもの、自閉症的なもの(ある |
| 種アスペルガー症候群的なもの)、さらにはトランスジェンダー的なものなど |
| を感じさせるところがなくもない。そのへんが、妙に几帳面で変わった性格 |
| だとか、天才的ひらめき、人とコミュニケーションが少しとりにくい(当然 |
| 人のことも分かりにくい)ことなどと関係があるかもしれないと、ワタシな |
| どつい考えてしまいます。またそうしたことが、作曲に大胆に反映されるが、 |
| 逆に情感が乏しいとか冷たいとか言われることに繋がる場合もある。その辺 |
|
りはこの映画の中でもちょっぴりなら出てきます。ワタシはそうは(そんな |
| 夢見るマシーンみたいな音楽、だとは)思いませんけどね。 |
| でも一点、あえて言っておくとすると、ラヴェルの音楽は、解釈を加えすぎ |
| たり弄り過ぎるとよくないと思いますね。もちろんこれに反対だという方も |
| 多いと思います。ワタシは別にこだわる気はありません。演奏家でも研究者 |
| でもないんだから。好みということでいいです。 |
| 楽譜として非常に完成されている音楽なんじゃないか。もうずいぶん昔から |
| なんですが、そんな気がしていましてね、あまり変化がありません。 |
| だいぶん脱線しました。 |

全く関係ありませんが・・・
テッセン、咲き始めました。