休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヒッチコック・フィルムズ/オリジナル・モーション・ピクチャー・スコアズ

20250225(了)

Digital Premiere Recordings From

The Films Of ALFRED HITCHCOCK

1,『ファミリープロット』 3:55

          /ジョン・ウィリアムズ (1975)

    FAMILY PLOT
    エンドタイトル

2,『見知らぬ乗客』 6:03

          /ディミトリ・ティオムキン (1951)

    STRANGERS ON  A TRAIN
    メイン・タイトル&近づく列車/アンとガイ/警告とブルーノの脅し/
    テニス&ライター/ブルーノの死とフィナーレ

3,『断 崖』 12:00

          /フランツ・ワックスマン (1941)

    SUSPICION
    メイン・タイトル/日曜の朝/贈られた椅子/メルベックのオフィス/
    ジョニーを捜して/トゥーファースト/フィナーレ

4,『汚 名』 5:48

          /ロイ・ウェッブ (1946)

        (アレンジ&オーケストレーション;クリストファー・パーマー)

    NOTORIOUS
    メイン・タイトル/ユニカ/不安/衰弱するアリシア
    フィナーレ&エンド・タイトル
 
    ジョージ・コーンゴルド(プロデュース)
    チャールズ・キッチャム指揮/ユタ交響楽団
    1991年/CD/映画音楽/日本コロムビア/邦盤/中古
    (ⓅⒸ 1985 Varèse Sarabande/SLC)
    <★★★★>

ヒッチコック映画のCDはすでに何枚か持っているんですが、つい目についてしま
い、手に入れました。安かったので・・・ 言い訳です。でも、近頃、映画音楽
のサントラジャンルのCDはバカ高で、5千円以上なんてごく普通だし、2-3万し
たりするのもざら。需要が低いからかえって、なのか、このジャンルのコレクタ

ーのこだわりの強さを知ってのことか、まあその辺だろうとは思います。全く手

が出せない、ばかばかしい・・・

 
さて、大体観ていると思いますし、音楽も別途聴いているはずですが、覚えてま
せん。ヒッチコックは、作曲家には(他のスタッフにたいしても、だったのかも
しれませんが)かなりきつく当たったり、バカにしたりした、なんて話を聞いた
ことがあります。ともあれ、久々にちょっと聴いてみたくなって・・・

1,『ファミリープロット』 ジョン・ウィリアムズ(1932- )
1966年の『おしゃれ泥棒』あたりがウィリアムズの映画音楽のはじめのころだか
ら、75年のこれはだいぶん慣れてからのものだろう。『おしゃれ泥棒』のサウン
ドに似た感じがあるのが面白い。(もっとも、後年の『ホーム・アローン』なん

かにも近くて、近い引き出しを使ったんでしょう) といっても、これは中間部

近く以降。実は初めのほうは、この翌々年1977年に封切られる『スター・ウォー
ズ』や『E.T』なんかでも用いたサウンドと共通するものがわずかながら聞かれ
るのが更に面白い。それにしても、楽しめるのはほんの一瞬みたいなもの。たっ
た4分弱のエンドタイトルのみってのはなんとも惜しかった。

2,『見知らぬ乗客』 ディミトリ・ティオムキン(1895-1979)
大御所ティオムキン。今のウクライナ出身。
正確なアンサンブルなんぞにこだわっておれないような、(主に西部劇の)サン
トラの演奏に慣れてしまっているせいか、こうやってきっちり演奏されたものを
聴くと、ああ、ちゃんとオーケストレーションされているんだなあ、と思ってし
まいますね。録れ直したオリジナル・スコアのレコーディングを聴くとたいてい
そうですけどね。フィナーレがちょっと物足りなかったけど、様々なタイプのサ
ウンドが入り混じり、おしゃれなセンスもよかったなぁ。引き出し多く、古臭さ
もあまり感じさせない。なぜかこの方、西部劇のイメージがあります、ワタシだ
けのことなんでしょうね。全然そんなことないのに、不思議。
聴けば聴くほど感嘆。このアルバムの中では最上の聴きもの。

3,『断 崖』 フランツ・ワックスマン(1906-1967)
やはり大御所といっていいワックスマンのものはほかにも複数枚、レコーディン
グしたオリジナルスコアを聴いていまして、今の感覚からするとちょっと古臭い
曲調かもしれないですが、オーケストレーションは上手な方。(ハイフェッツ
ために書いた「カルメン幻想曲」は結構有名って、ワタシはさほど面白くはなか
ったですけどね) ここでもさすがの素敵なオーケストレーションを聴かせてく
れます。12分あるのが良かった。
ティオムキンのユニヴァーサルな感じの(2)に比べると、ワックスマンのこれ
は、サスペンス色が濃くて若干重い。まあ映画の感じの違いでしょう。
ややしつこい『レベッカ』の音楽もワックスマンでしたね・・・探してみよう。

4,『汚 名』 ロイ・ウェッブ(1888-1982)
これは、映画を観たからではなく、ほかの録音で聴いたかしたんでしょう、メロ
のディ一部は覚えがあります。ただ、5分台の収録はいかにも短く惜しい。
クリストファー・パーマーの名が載っていることからすると、ちゃんとしたスコ
アが残っておらず、リコンストラクトしたうえで、短くまとめなおした、なんて
な代物なんじゃないですかね。もちろん本当のところは知りません。パーマーの

そういうの(シェイクスピア映画を中心に)ずいぶんたくさん聴きましたからね、

そんなんじゃないかと。

プロデューサーのジョージ・コーンゴールドは、クラシックや映画音楽で名を成
したあのコルンゴルトの次男で、埋もれた映画音楽をたくさん発掘した。サント
ラの寂しい音を聴いて譜面に落とし、アレンジをするといったやり方で、多くの
映画音楽を、この Varèse Sarabande やRCAでプロデュース、録音するというよう
なことをやってくれたおかげで、「ちゃんとした」映画のサントラが聴けるよう
になった。モーツアルトの名(ヴォルフガング)をもらった親父さんほど有名じ
ゃないけれど、なかなか大きな功績があった方だと思います。
特にRCAのシリーズは、録音がデジタルになる前なのがちょっと惜しいけれど、
すでに手に入れているものはワタシにとっても宝物。 
もちろん全部持ってるわけじゃありません。
Amazonを覗くと、今では出来のいいものを10枚ぐらいにまとめてCDのセットも
のが出ていました。しかも安い・・・ 古いオーケストラルサウンド系の映画音
楽のサントラが聴いてみたい方にはお薦めしたいですね。

さて戻りまして、当盤のオケは、RCAの録音のガーハート指揮/ナショナル・フィ
のルほうがうまかった気はしますが、今回のこのユタ響も水準。もうずいぶん昔、
雑誌か何かで読んだんでしょうか、金持ちオケだなんて書かれていた記憶があり
ます。40分に満たないLPみたいな収録時間には大いに不満をおぼえました。デジ
タル録音最初期だったのでしょう・・・しかたがない。