休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

グルーシン&リトナー/ハーレクイン

20250217(了)

デイヴ・グルーシンリー・リトナー

『ハーレクイン』

 ①ハーレクイン
 ②アーリー・A.M. アティチュード
 ③サン・ユーシドロ
 ④ビフォア・イッツ・トゥー・レイト
 ⑤サイレント・メッセージ
 ⑥キャッツ・オブ・リオ
 ⑦ビヨンド・ザ・ストーム
 ⑧グリッド・ロック
 ⑨ザ・バード
 
 デイヴ・グルーシン(key)、リー・リトナー(g)、ジミー・ジョンソン(b)

 エイブラハム・ラボリエル(b)、カルロス・ヴェガ(ds)、

 ハーヴィー・メイソン(ds)、パウリーニョ・ダ・コスタ(perc

 スペシャル・ゲスト;イヴァン・リンス(vo)①④⑦
 録音;1985年1-3月、ロサンゼルス
 2023/CD/フュージョン/ユニヴァーサル・ミュージック/邦盤/ⓅⒸ1985 GRP
 <★★★★>

ちょっと変わったジャケ写につられて(安かったので)、手に入れてみました。
サウンドは、(知ったかぶりですが)言ってみりゃあ以前から知っている既定路
線で、冒険じゃありません。
 
リトナーや『ジェントル・ソーツ』というグループ名(ないしアルバム名)を知
らない方には、あまりピンとこない鑑賞記になりそうです。
リトナー(と実際にはグルーシンも)をリーダーとしたフュージョン・アルバム
で、77年か78年に日本で発売されたときには、ビクターがえらく力を入れてプロ
モーションを行いました。お金のかかったコンヴェンションもあって、ワタシも
行って飲み食いしましたっけ。試聴盤(豪華な見開きジャケットのLP)もその場
でいただいたような記憶があります。
 
言いたいのは、それから7-8年はたっている録音だけれど、基本はそのジェン
トル・ソーツ(表記はソウツThoughts)のサウンドなんですね。
ただその音が初めのころのしゃきっとした感じからすると、だいぶんまろやかな
感じになっているように思われる。
それはひとえにブラジルの大シンガーソングライター、イヴァン・リンスを迎え
てのアルバムだから(というのは想像なんですけどね)。 このころには映画音楽
も担当して、大忙しの大物グルーシンの、手練れのアレンジのお仕事、というと
ころ。それだけです。

 

 (補)3/13
  このメモよりはだいぶんあと。3/8か3/9頃、パート仕事から帰るとテレビで
  吹き替えの『天国から来たチャンピオン』(1978)なんて映画を夜やってい
  て、カミさんが観てました。こっちは、ジュリー・クリスティ、若!なんて
  思いながら食事。あれ?と、なんとなく音楽が引っかかって、あとで調べて

  みたら(って、われながらよく覚えていたもの)、やっぱり当たってました。

  デイヴ・グルーシン。特色って出るもんですねぇ。

 

リンスは①④⑦の3曲だけですが、なんというか、その3曲以外の6曲について
も、リンスを立てて、邪魔しないようにしているみたいな気がするのです。ま、
早い話が、若干ながらブラジル色(ないしラテン色)を出してサポートしている、
というぐらいのもの。
で、リンスの3曲は・・・⑦は特色が乏しい気はするが、①と④は見事にフュー
ジョンに溶け込んでいますね(って、ダジャレめきますが)。
特に④はワタシでもたびたび耳にしたことのあるリンスの名曲。(こんな音の飛
ばし方でのメロディ、誰が思いつきますか!) ただしね、リンスの声が荒れて
いる気はしました、、、こんなにざらついてなかったと思うんだがなぁ。

てなことで、リトナー/グルーシンのサイドとしては、いくらグルーシンのGRP
レーベルで出すといっても、リンスをお迎えしてのアルバムにならざるを得なか
ったようで、彼らのフュージョン・アルバムとしてはいささか大人し目の作品に
なっちゃったんじゃないか。そんな気がした次第。もっとも・・・
リトナーのギターは早く長いパッセージなど余裕綽々で、なんだか甘味が感じら
れたかな。グルーシンはいつも通り、暖かく適度に繊細で適度におおらか。映画
音楽の時には、シリアスなものには向かないかもしれないが、そうでなきゃ何で
もこなせちゃう器用さも、こんなところからもわかりましたね。
いろいろ懐かしかった。
聴きにくさ皆無で気楽に楽しめるスマートでセンスのいいアルバムだと思います。
まとまり具合という点ではベストではないから、ちょっぴり点数甘いかな。