休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ファントム・スレッド』

20240820(了)

映画『ファントム・スレッド

  ポール・トーマス・アンダーソン監督/ダニエル・デイ・ルイス
  ヴィッキー・クリープス/レスリー・マンヴィル
  2017年製作/130分/アメリカ/原題:Phantom Thread/DVDレンタル
  <★★★△>

苦手な世界のお話だとわかっていたので、敬遠してきたところ、どなたかの
ブログでフーンと思うことがあって、じゃあとリストに載せていたのです。
で、今回選択・・・
 
結論から言いますと、やっぱり、苦手は苦手、でした。
どうもワタシは、ファッション関係にはほとんど興味が持てない、まあダサ
イ見本みたいな身なりをしていることが多いらしいのもその証拠かもしれま
せん。背広にネクタイで済んでいたあいだは、よかったのですけどね(って、
何がよかった・・・?) 1950年代ロンドンのオートクチュールのデザイナ
ー兼仕立屋と彼女の、ある愛のお話。
 
日がな女性の身に着けるもの(ドレス)を、かっこ良く、センス良く、似合
うように考え続ける男、なんて、いてもいいけど、近くにいることなど想像
もつかないですね。そんな男(ウッドコック)は、さらに小さいころ、若い
ころのトラウマを背負っていて、マザコンだとか自閉症気味だとか言えそう。
特異な人格かもしれないものの、仕事で名も財も成しているもんだから、あ
まり気にしていない。(少しは気にしている) 裕福なパトロンがいて苦労

しなかった画家、や音楽家なんてものと共通点はあるかもね。金持ちや皇室

が注文主なんだし。

会社の経営やマネージメントを見ているらしい姉が、大きな存在で出番も非
常に多い。弟のことも世事もよーくわきまえているのだけれど、この女性に
ついては明確な「説明」はされなかった。印象には強く残りました。
 
さて、ウッドコックには恋人以下の「女」はいたようだが、半分以上はこの
男が考える絶世のモデルがほしかっただけみたい。もちろん彼のルールを守
る、絶対に邪魔をしない静かな女を。(人格なんぞ無視できる女を)
ある時外食中に、理想のモデルかもと思えるウェイトレス(アルマ)を見つ
け、邸宅に住まわせることにする。
それ以降は、むしろ彼女の奮闘記といってもいいようなお話になって行きま
す。どう見ても愛し合っている関係なのかどうか怪しいのだけれど、何しろ
相手は徹底的に仕事人間、且つ「変人」。一方見える愛情がほしい彼女は悩
みまくり地金を出し始め、危ないことをしてしまったりもするので、見てい
るこっちもウッドコックとは違う意味で・・・「信用」ならない。
さあ、どんな結末になるのやら。

音楽は、既成のクラシックの室内楽を多く使っていまして、可もなく不可も
なく。(好きなドビュッシー弦楽四重奏曲が聴けるとは思わなかった)

 

着地点はワタシには、悪くもヘンでもないものの、「意外」でした。

タイトルは、「ドレス幻影」ぐらいの意でしょうか。
 
 
付録 20240821(了)
この週、カミサンが借りたのが『プロメテウス』
晩飯時に観ました。R・スコットが自分の元祖『エイリアン』の前に、こんな
話もあったんよ、という感じで作ったお話でしょうね。前日譚というのとは

ちょっと違う。でもこれ、観ているうちに、「ああ、観た観た」と思い出し

てきました。

S・ウィーヴァーとは全くタイプは違うけれど、ノオミ・ラパスが(あの華
奢な身体で、しかもあの身体の状態で!)おしまいにめちゃめちゃ頑張っち
ゃう。セリフの中に説明に当たるところはあったにもかかわらず、お話の構

造が結局のところよくわからなかったのは、以前観た時と同じだと思います。

ワタシの物分かりの問題かもしれません。

第一作目のムードとはだいぶん違って、どこかテレビカメラにでも変わった
みたいな感じがありました。
音楽もワタシにはいまいちで、ジマー系では名手だと思うハリー・グレグソ
ン=ウィリアムズ。監督の好みで入れたのか、ショパンが使われていたのが
ピンとこないだけでなく、そのほかはたいていズンズン・ドコドコ調の「音」
のアレンジだけでやっつけていて、あれでいいんでしょうが、ワタシにはち
ょっとつまらなかった。始めに少しだけ元祖J・ゴールドスミスのサウンド
を小さい音で使っているのに気づきました。         <★★★>                         

 

「エイリアン ロムルス」とかいうのができたてほやほやだそうで、原点回帰

(好きな言葉じゃありません)の作品で、面白いよと書いてある。9/6の夕刊

によると、これは1作目と2作目の間にあたる話だとのこと。まだまだ観ら

れそうもないのは残念。