休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ヒンターラント』

20240816(了)

映画『ヒンターラント

  監督;シュテファン・ルツォヴィツキ//ムラターン・ムスル
  音楽;キャン・バヤニ
  2021年製作/99分/PG12/オーストリア・ルクセンブルク合作/原題:Hinterland
  DVDレンタル
  <★★★△>

世界大戦、といっても第一次。復員してきたのはドイツだと思ったら、オースト
リア。カイザーが猛烈な悪評。ウィーンの街の光景が異常。建物はことごとくさ
まざまな方向へ歪み、石を敷いた道はたいてい坂。すべてが暗い童話の絵の世界
という感じ。もう一歩で「書割」やね。
SF系のファンタジーかと予想していたのですが、うんとダークで「SF」気はなし。

hinterだから後ろの、背後の。背後の国とか世界とか領域、なんてところ

ですな。

 
ソ連からヘロヘロ状態で復員した一団が、ウィーンで解団し、自宅や救済施設
に分かれて行くのだが、いきなり猟奇殺人が起きる。
主役は一団のリーダー格ペルク(ペーターとも言ってた)で、奥さんと子供がいた
はずだが、お喋りな家政婦だけがいて、妻子は実家にいってしまっている。元
元は有能な刑事だったのだが、捕虜時代が彼を陰鬱に変えてしまったよう。
なぜ妻と子供がいなくなったかの事情はあとになってわかるが、とまれ、始め

の猟奇殺人の状況から、ペルクは古巣の警察と関わることになる。ごたついて

いるいるうちに、次の猟奇殺人!

 
・・・例によってと言いたくなる過酷至極なソ連の捕虜収容所の話が発端なの
か。収容所ではよくある自治会のようなものを作って捕虜を守ろうという活動

があったのだが、その活動と猟奇殺人と繋がりがあるとしか考えられないこと

がわかってくる・・・

 
はい、十分書きすぎです。
書割ふうなバックの建物群が青い背景の中でやや薄っぺらく皆歪んでいるのが
間違いなく雰囲気に貢献していて、主題や見どころの一部なんだろう。この映
像、カミサンに大うけ。ワタシには・・・興味深いが、受けたとは言えない。
 
音楽はフィリップ・グラス系のサウンドを多く含んだものでした。決してミニ
マルだけではない、むしろミニマルは僅かだった気がします。弦主体のサウン
ドがけっこうグラスに似ていると思いました。