休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アントン・ブルックナー 交響曲全集 /能書きと第1番

ANTON BRUCKNER(1824-1896) COMPLETE SYMPHONIES <1>

CD1

交響曲第1番ハ短調(1877年稿 ノヴァーク版)

I. Allegro 11'59
II. Adagio 12'41
III. Scherzo. Schnell - Trio. Langsamer 8'25
IV. Finale. Bewegt, feurig 14'00
 録音:2011年6月、ジュネーヴ、ヴクトリア・ホール Tot.47:05
 <★★★☆>

  マレク・ヤノフスキ(指揮) 

  スイス・ロマンド管弦楽団

  CD/10枚/交響曲/Ⓟ 2015 Pentatone Music B.V. Ⓒ 2023 Brilliant Classics

ブルックナーをよく聴く方にはつまらん話でしょうが、ま、自分のためのメモで
すから、気にしないで書いてみます。
ワタシのブルックナー歴といっても、シャカリキで聴いたことはないものの、高
校3年か予備校生の頃に、FMラジオで、フルトヴェングラー指揮のEMIのニセス
テ(もっと別の言い方、疑似ステレオだったかな)でしたね、7番と8番が相次

いで出されて随分話題になった。その8番を聴いて以来ですから、今から思えば

案外長い。

8番のスケルツォに鳥肌が立ったのは覚えてます。もうじき60年ですか。7・
8・9番はよく聴いたとはいえ、特に「ブルックナー命」人間ではありません。
 
 <優秀録音で聴くブルックナーサウンド
 ドイツの指揮者マレク・ヤノフスキとスイス・ロマンド管弦楽団によるブルッ
 クナーは、ヴィクトリア・ホールでの高解像度な録音に加え、誇張された表現
 や声部の埋没といった心配が無いため、作品理解に適しています。素材引用元

 としても注目されるミサ曲第3番が収録されているのもさすがの配慮です>

 

こんな録音推しのコメントなんかどうでもいい。ただし、スイス・ロマンド管と
職人指揮者によるブルックナーがどんなサウンドで、どんな感触のものなのか、
個人的には期待で妙に盛り上がってしまった(ルーセルのせい)ので、セットも

のに挑戦してみることにしました。エイヤッ!です。御大層な理由ではありませ

ん。

クソ暑い時期に入ってしまいましたが、気後れせず・・・クビアカツヤカミキリ
なんぞ屠りながら、のんびり気楽に聴き、反芻して行くことにします。(やや屈
折気味かも) 告白するようなことじゃないのですが、ワタシ、1番と2番(こ
こにない0番も00番も)は聴いたことがありません。勢いで手に入れたセット
物とはいえ、初めての1番、2番はちょっと楽しみ。
 

CD1

交響曲第1番ハ短調(1877年稿 ノーヴァーク版)

0番なんてぇのも知らないわけですが、これが1番、へぇー・・・てなもんです。

なんというか、もう立派にブルックナーになってるじゃん。
この後、未完の第9番までじわじわ成長してゆく。オーケストレーションも和声
も精神性みたいなものも、野暮なまんまどんどん深く複雑に(長大にも)なって

は行くんだが、楽曲の構成なんてねぇ、言ってみりゃあ、ほとんど同じようなも

の。

 
明るいアレグロ。規模感なくスカスカしたふうに感じはするけれど、すてきなロ
マン派の音楽。ここのスケルツォっぽい部分の楽想は、後年のスケルツォにそっ
くりだったぞ!
アダージオは宗教色なんてまだまったくなくて、名だたるロマン派の巨匠のもの
みたいなものがあっちこっちで聞こえた気がする。シューベルト、メンデルスゾ
ーン、シューマン・・・いつもこんな印象を書いてますね・・・ ワーグナー
んてのもプーンと匂った。
スケルツォやフィナーレは、もうすでに後年のものを予感させる独特の野暮った
さとわくわく感がある。
この時点では、音色がドイツふうというか、例えば鈍色ふうなものがなく、明る
く、意味ありげな含みを感じさせないというぐらい。演奏のこととしては、最高
のアンサンブルじゃないかもしれないけれど、シャッキリしてるじゃん、という

ぐらいですね。飽きるまでまだ何度でも聴ける気がします。

                           (メモ 20240616)